11日夕方、栃木県矢板市内の国道4号で、非番中の警官が運転する乗用車に対し、後続のクルマが追突した。運転していた男はクルマを放置して徒歩で逃走したが、後に寒さを理由に警察に保護を申し立て、これがきっかけで逮捕されている。
栃木県警・矢板署によると、事故が起きたのは11日の午後6時30分ごろ。矢板市片岡付近の国道4号で、信号待ちのために停車していた乗用車に対し、後ろから進行してきた別の乗用車が追突した。
追突してきたクルマに乗っていた男は、その場にクルマを乗り捨てて徒歩で逃走。被追突側のクルマを運転していたのは埼玉県警・東入間署に所属する51歳の巡査部長で、当日は非番だった。巡査部長は男を追いかけたが、土地勘が無かったこともあり、すぐに見失っている。巡査部長は打撲などの軽傷を負っており、通報を受けた警察では軽傷ひき逃げ事件として捜査を開始している。
この約30分後、警察に対して「寒くて仕方が無い。助けてくれ」といった内容の通報が寄せられた。同署員が矢板市内のコンビニエンスストアにいた36歳の男を保護したが、男は裸足のままだった。
このコンビニはひき逃げ事件の現場近くにあることや、被害を受けた巡査部長が「男はサンダルを脱ぎ捨て、裸足で逃げた」と話していたことに署員が気づき、警察ではこの男が事故を起こした可能性が高いと判断。身柄を拘束し、指紋などの分析を進めた結果、容疑が固まったとして、12日までに自動車運転過失傷害や道路交通法違反容疑で逮捕している。
発見当時、男は酒に酔った状態。2006年8月に免許取消となって以後は無免許だった。調べに対して男は「自分は運転していない」などと供述。ひき逃げ容疑を全面的に否認しているという。