富士キメラ総研は、世界の自動車産業の主要電子部品市場を調査・分析し、その結果を報告書『ワールドワイド車載電装関連市場総調査version2008-2009 下巻:電子部品編』にまとめた。
昨年後半からの北米を発端とした世界同時不況の影響により、先進市場の自動車需要は今までに考えられなかったペースで低下しており、北米生産は回復の糸口も掴めぬほどダメージを受けている。自動車用電子部品は、今回の世界的不況の影響をどの様に克服するか、その動向を分析した。
2007年実績で9兆8145億円あった世界の自動車用電子部品(48品目)市場は、2009年には8兆3545億円まで落ち込むと予測。その後2010年から回復に向かい、2012年に10兆円超、2013年には不況前の2007年比10%増の10兆7960億円になると予測している。
日本の電子部品市場は、2007年1兆9145億円まで伸びたが、2009年には1兆6601億円、2007年比13.3%減まで低下と予測。2013年には1兆8895億円まで回復すると予測した。2013年の予測で2007年から最も成長を見込んでいる分野はセンサで2007年比23.4%プラスとなると予想。各種のセンサ部品は環境対応と安全性を向上させる開発が最も重要視され、搭載率が上昇する見通しだ。
新興国などその他地域市場は、2007年2兆4775億円、2008年には2兆5884億円となったと見られる。2007年から年間で44.2%伸びて、2013年には3兆5722億円と予測する。この間、新興諸国の成長により生産台数の低下も少なく、比較的低価格帯の車両が多いため、先進地域より必須部品の比率が高い。ワイヤーハーネスを含むその他の電子部品が全体の80%を超え、次いでECU(エンジン制御用マイクロコンピュータユニット)向けなどの半導体デバイス、センサモジュールが続く。
2013年までの成長分野は、センサモジュールとディスプレイが突出すると予測。中国やロシアなどで、先進諸国向けと同等スペックの需要が生まれており、これら地域を中心に先端デバイスの搭載が進むためだ。
米国、カナダ、メキシコの北米は、2008、2009年の落ち込みが激しく2007年水準に回復するには時間がかかる見通し。2013年は2兆4007億円、2007年比4.4%減を予測している。
調査対象は、ディスプレイ6品目、センサモジュール12品目、センサ6品目、半導体デバイス9品目、受動部品7品目、その他(ワイヤーハーネス他)部品8品目の合計48品目。