2 | こだわりの魅力 |
エヴォーラは、エリーゼと仲間であることが判るように意図的に前後のデザインを似せている。また、エリーゼの胴体がプランビューでくびれたコークボトルのカタチをしているのに対して、2+2シーターのエヴォーラでは、サイドビューをコークボトルにしてスピード感を表現したそうだ。
これらは説明されるまでもなく判るが、フロントの「笑い顔」がロータスカーズの伝統であると明かされたのは驚きだ。確かに、ロータスカーズの初期のクルマやエリーゼを見ると、そんな風に見えてくるから不思議だ。作り手の「こだわり」が隠し味となり、魅力の深みを増していることに気付かされたのだ。
このようにしてロータスファンが隠れたこだわりを発見したときに、愛着が一段と増すことになる。よい小説が読めば読むほど新たな発見があるのと同じように、味のあるクルマも時が経るに従って増える魅力があるのだ。
コーリン・チャップマンのレースに賭ける情熱と成果を抜きにはロータスのクルマを語るのは難しいが、チャップマン亡き後もロータスのクルマが語り継がれているのは、ロータスカーズの技術者だけではなく、ロータスファンの強い愛着に支えられているところもあるようだ。