三菱重工業は、汎用ガソリンエンジン「三菱メイキエンジン」のラインアップに4機種を追加し、17日に販売を開始した。
今回追加したのは2サイクルの最大型機種『TLE48』と、4サイクルの大型タイプ『GB290』『GB300』『GB400』で、全機種が日米欧の排出ガス規制すべてに適合しており、4サイクルの3機種は低振動・低騒音性に優れた構造を採用した。
TLE48は、排気量が47.1ccで、欧州などの排出ガス規制強化に対応した手持ち作業機用エンジンの最上位機種として開発した。同排気量クラスの国内向け従来機「TB50」(同49.4cc)に比べ、燃費を約40%低減した。最大出力はこれまでの最大型「TLE43」(同42.7cc)から約40%アップし、40-50cc級エンジンでトップクラスの1.8kWを実現。
TLEシリーズは、2サイクルエンジンで未燃焼ガスの大気放出を軽減させる層状掃気方式を採用した。世界で最も厳しい米カリフォルニア大気資源局(CARB)の排出ガス3次規制をはじめ、米環境保護庁の2次規制、欧州連合(EU)の2次規制、日本陸用内燃機関協会の自主2次規制をクリアしている。
TLEシリーズは、刈払機など手持ち作業用のエンジンとして国内外にOEM(相手先ブランド)供給し、TLE48単独で年間5万台の販売を計画している。
GBシリーズは、現行GMシリーズの後継機として2005年から6馬力以下クラスの3機種を販売してきたが、ユーザーニーズの強い290-400ccの大型機種も今回モデルチェンジした。耕うん機、運搬車、田植機などの搭載用として、農業機械分野を中心に内外のユーザーに販売を拡大していく。
3機種ともGBシリーズの基本コンセプトである低騒音・低振動を追求した。低騒音冷却ファンの採用で風切り音を低下、ファンカバーやシリンダーカバーなどの板金部品に制振プレートを追加することで低騒音を実現した。
このほか、振動については、クランク軸、バランサー軸カウンターウェイトの最適設計化によりバランス率を向上し、起振力を約15%低減した。
今回の大型3機種投入により、GBシリーズ全6機種のラインアップが完成する。OEM供給を中心に、追加の3機種で年間10万台の販売を見込む。