道路が鉄道線路の下をくぐるガードで、桁下高さの低いものを探していると、同時に道幅が狭いものも少なくない。東京都小金井市にある西武多摩川線新小金井~多磨間のガードもそんなひとつだが、妙なことに気がついた。
場所は小金井市東町1丁目(東側)と5丁目(西側)の間になる。北から南へ、台地から降りてくる「二枚橋の坂」が、降り切った地点でクランク状に線路と交わる地点がガード(架道橋)だ。道路は小金井市道。
道路は台地の斜面にほぼ忠実に急勾配で上下するいっぽう、線路は土手を築いて勾配を緩くしており、道路と線路で高低差のある地点にガードがある。古い地図を見ると道路の方が昔からあり、線路と鋭角に交わる線形だったのを、ガードの長さを短くするために、線路と直角に交わるよう道路を敷き直したらしい。
当時の道路には大型車両は走っていなかったので、ガードの高さも幅も現在の基準からすると小さいものになる。その後、交通量が増えることはなく、規模の小さいまま改築されることもなく現代に至る。桁下の低いガードには、そんなストーリーが想像される。
小金井市東町にある西武線ガードの制限高さは2.3mで、一般的な道路としては低いが、「低いガード」というくくりでは平凡な数字だ。そして最大幅が1.9m。こちらも実際にはそんな狭くはなく、3ナンバー車がサイドミラーを立てていても、余裕で通過できる幅がある。規制標識だけがものものしい。
これらの標識を見て気がついた。横浜市南区南太田にある京浜急行のガードの幅はもっと狭かったが(約1.7m)、幅員制限の標識はなかった。そういえば、都市の住宅地には、幅の狭い道はいくらでもあるが、車幅を制限する標識を見た覚えがない。最大幅の規制標識って、ひょっとしてレアアイテム?
このガードには同じ標識が複数設置されていたり、付近には勾配の警戒標識や最高速度の規制標識が設置されていたり、「警笛鳴らせ」の標識まであり、なかなかにぎやかだ。
車幅制限はないのかッ? 制限高さ1.9mの低いガード…京浜急行・井土ヶ谷
https://response.jp/article/2025/06/18/397160.html