東京ガスは23日、家庭用燃料電池「エネファーム」の次世代機に搭載予定の燃料処理装置の開発で、従来の性能を維持しつつ容積を約3分の2に小型化、製造コストも半減することに成功したと発表した。
燃料処理装置の構造を大幅に簡素化するとともに、新たに高性能触媒を採用したことで小型化・コスト低減に成功した。
同社は、今年5月からエネファームの販売を開始するが、2010年代前半に投入予定の次世代機の開発も進めている。今回の燃料処理装置の開発は、次世代機の小型化とコストダウンを実現するもので、エネファームの本格普及に向けて大きく前進するとしている。
従来の燃料処理装置は、都市ガスから水素を取り出す改質効率を高めるため、複雑な構造となっているが、今回開発した燃料処理装置は従来の効率を維持したまま、構造を大幅に簡素化した。従来に比べ部品点数を約3割、溶接線長を約4割削減した。
また、燃料処理装置には、都市ガスから水素を取り出すための反応促進剤として触媒を使用しているが、従来の触媒で必要な性能を確保するためには、多量の触媒が必要で、燃料処理装置の容積が大きくなる原因だった。今回、新たに高性能触媒を開発し、その触媒を今回開発した燃料処理装置に採用することで、従来に比べ触媒使用量を3-5割削減でき、燃料処理装置の容積も小型化できる。
今回開発した燃料処理装置の小型化・低コスト化技術も荏原バラードなどに技術提供していく予定。