シトロエン『C4』をベースに作られたミニバンの『C4ピカソ』のエンジンが変更された。C4ピカソは、今まで自然吸気の2リットルエンジンを搭載していたが、今回からは、直噴ターボの1.6リットルに変更した。
スペック的には従来の2リットルよりも最高出力が3PS低い140PS(6EGSは150PS)となったが、最大トルクは自然吸気の2.4リットルの並みとなる24.5kgmを手に入れている。
トランスミッションは、これまでと同じようにトルコン式4速ATと、6速MTをベースにクラッチを自動制御してくれる2ペダルの6速EGS(6速エレクトロニックギヤボクスシステム)の2タイプが設定されている。マニュアルベースのEGSは、クリープがなく車庫入れなどの際に多少慣れを必要とするが、最高出力は10PS高く、トルコンのロスもないので、燃費に関してはトルコンより有利となるはずだ。
プジョー・シトロエンジャポン広報部の吉田訓啓さんは「C4ピカソはエンジンの変更がメインで、外観はリヤゲートのモール部分が若干手直しされ、インテリアも2列目シートのヘッドレストが小型化された程度の小変更にとどまっています」
「C4ピカソは価格が上昇していますが、マイナーチェンジ前までオプションだったグラスパッケージを標準装備化しています。したがってエンジンは大幅に性能を向上させていますが価格面では据え置きといえます」とコメント。
ピカソは、C4に比べて車両重量が300kg近く重いこともあり、従来の2リットルでは非力な印象が強かった。
1.6リットル直噴ターボを搭載したC4ピカソは、トルクが向上したことにより動力性能面でのゆとりを高めている。新しい1.6リットルターボは常用回転域から2.4リットル並みの高トルクを発揮してくれるので力不足は感じなくなった。
この動力性能なら多人数乗車時でも、ゆとりのある走りを提供してくれるに違いない。今回試乗できたのは乗りやすさを重視した4ATだけだったが、それでも車体の重さを感じることなく余裕のクルージングを楽しむことができた。
エンジンが高トルクの1.6リットルターボに切り替わったことのメリットは、C4よりもむしろ車両重量の重いC4ピカソのほうがより大きいと感じることができた。