ピニンファリーナはジュネーブモーターショーで、『ブルーカー』を発表した。2008年10月のパリモーターショーで初公開した小型EVの市販仕様で、2010年から生産がスタートする。
ピニンファリーナはフェラーリなどのデザインを行うカロッツェリアとして知られるが、EVの開発に積極的に取り組んできた一面も持つ。2008年1月にはフランスのBolloreグループとEVの共同開発で合意。市販に向けた準備を着々と進めてきた。
昨年10月のパリモーターショーでは『Bゼロ』というネーミングだったが、市販バージョンの車名は『ブルーカー』に決定。外観はBゼロとほぼ同じで、特徴的なフロントマスクやブラックアウトしたリアのデザインも継承された。
システムの核となるのが、Bolloreグループが約15年かけて研究開発した「LMP」と呼ばれるリチウムイオンバッテリー。このバッテリーは230Vコンセントから数時間で充電でき、フル充電時には最大250kmを走行できるのが特徴。20万kmという超寿命も誇る。0-60km/h加速6.3秒、最高速130km/hと実用性は文句なし。ボディにはソーラーパネルを装備し、走行中にも充電できるように配慮した。
バッテリーはボディ中心部の床下に搭載。ピニンファリーナは「重心を下げると同時に、ボディ中央に重量物をまとめることで、ハンドリングを向上させた」と語る。ボディは5ドアで、大人4名が乗車できる高い居住性も実現。回生ブレーキも装備しており、エネルギーはウルトラキャパシティに蓄えられる。
ブルーカーは2010年にイタリアのトリノ工場でパイロット生産を開始。2011年に量産体制に入り、ピニンファリーナによると、2015年には年間6万台を生産する計画だという。ピニンファリーナらしくお洒落な雰囲気のEVは、ヨーロッパで受けそうな予感がする。