【プリウス プロトタイプ 試乗】空力セオリーに則ったデザイン…千葉匠

試乗記 国産車
【プリウス プロトタイプ 試乗】空力セオリーに則ったデザイン…千葉匠
【プリウス プロトタイプ 試乗】空力セオリーに則ったデザイン…千葉匠 全 9 枚 拡大写真

富士スピードウェイの構内連絡路をぐるっと数km走る試乗コース。走り方を変えながら3度トライし、燃費は20.1km/リットルから29.6km/リットルだった。同じ日に参加した同業者には35km/リットルなんて人もいたから、いやぁ、私、まだまだエコランは苦手です(笑)。

燃費もさることながら、個人的にいちばん気に入ったのは「タッチトレーサー」と呼ぶインターフェイスだ。ステアリング上のスイッチに触れると、それと同じ図がメーターに出現。オーディオやエアコンなどを、指先に視線を落とすことなく操作できる。新型『プリウス』の先進性を象徴する新技術だと言えるだろう。

ホンダ『インサイト』が「新時代のスタンダード」を目指したのに対し、「トヨタの最先端」であり続けるのがプリウス。シフトバイワイヤーの軽いタッチで「D」に入れ、アクセルを踏めばEV走行で音もなく走り始める。それは普通=スタンダードとは違う、プリウスならではの世界だ。新型はタッチトレーサーでそこにまた磨きをかけた。

だから、エクステリアのデザインもインサイトよりトンガっている。モノフォルムの空力プロポーションは似ているが、特徴的なのはボディ四隅のカタチだ。空気抵抗を下げるには、前輪の前にあまり絞り込まない面が必要。フロントコーナーを丸くできず、縦に折れ線を入れるとスタイリングをまとめやすい。ボディ側面の気流をスパッと剥離させるために、リヤコーナーにもエッジを立てたい。空力セオリーに則ったこのカタチを、トヨタは「エアロコーナー」と呼ぶ。

あえて四隅を丸めて「空力やりました感」を抑えたインサイトとは、実はまったく対照的なデザイン。それぞれの開発意図の違いが、デザインに現れているのだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

千葉匠│デザインジャーナリスト
1954年東京生まれ。千葉大学で工業デザインを専攻。商用車メーカーのデザイナー、カーデザイン専門誌の編集部を経て88年からフリーのデザインジャーナリスト。COTY選考委員、Auto Color Award 審査委員長、東海大学非常勤講師、AJAJ理事。

《千葉匠》

千葉匠

千葉匠|デザインジャーナリスト デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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