新日本製鐵は、同社先端技術研究所で炭化ケイ素(SiC)単結晶ウェハの開発に取り組んで来た成果を踏まえ、新日鉄グループで電子材料事業を担う新日鉄マテリアルズが4月1日から同ウェハの製造・販売を開始すると発表した。
地球温暖化防止対策が重要視される中、自動車(電気・ハイブリッド)、太陽光発電、情報機器、家電など、高効率な電力変換技術を活用した製品の普及が期待されている。SiC単結晶ウェハは、このパワーエレクトロニクスを支えるパワーデバイス向け材料として、従来のシリコン(Si)単結晶ウェハを上回る優れた特性を持つ。
SiC単結晶ウェハは、耐電圧性に優れ、デバイスの電力損失を10分の1に低減でき、高効率・省エネルギー化を実現できる。耐熱性にも優れ、デバイスの冷却が不要で、機器の小型化・薄型化が可能だ。また、あらゆる分野の省エネルギー化を推進するポテンシャルを持つ。
Siの性能限界を超えるSiC単結晶ウェハは、次世代の高効率パワーエレクトロニクスの普及を支えるほか、パワーエレクトロニクスの活用分野の拡大を通じてさまざまな分野の省エネルギー化を推進する可能性を持っているとしている。
新日鉄マテリアルズでは、国内企業初となる4インチを始め、3インチ、2インチ各サイズを販売する。