日産自動車と仏ルノーは資本提携から10周年を迎えた27日に、提携によって両社が得た成果などについて発表した。このなかで1997年と2007年の比較をもとにした「業績への貢献」については、日産の株式時価総額が約4倍、ルノーも約3倍になったとしている。
さらに同期間の営業利益平均を1990年代の10年間平均と比較すると、日産は796億円から6361億円と約8倍になっている。また、配当など日産によるルノーへの収益貢献は110億ユーロ(約1兆4648億円)に及ぶ。
業務面での提携成果については、両社の世界販売の拡大や共同購買の拡充、電気自動車など先進技術搭載の製品ラインアップ強化など10項目を挙げた。01年に専門組織を立ち上げて開始した共同購買の比率については、当初3割程度だったが09年4月からは100%になるという。
両社のCEOを兼務するカルロス・ゴーン日産社長は「アライアンスは当初から信頼に基づき、利益ある成長を目指した戦略の追求を前提としていた。私たちは、今後も引き続き厳しい状況にあるビジネス環境に適応しながら、この原則を尊重していく。ルノーと日産はグローバルな金融危機を乗り越えるだけではなく、危機が去った後に強い競争力を持って優位なポジションに立つことができるだろう」との談話を発表した。