【ホンダ インサイト 試乗】カバーを掛けたら…河村康彦
試乗記
国産車

もっとも、HVシステム関係のキャパを減らしたのは「シビックより車重が軽いので、そもそも回生可能なエネルギーが少なくなった事にも対応したため」との事。
というわけで、そんなインサイトをドライブしてみるとなるほど2モーター式のトヨタHV各車はもとより、シビックHVに対しても“電気自動車風味”は希薄。というよりも、アクセルペダルを深く踏み込めばエンジンの出力にモーター出力が上乗せされているという実感は、例え説明を受けていたとしても分かりにくい。その点では、通常のガソリン車に対して「特別なドライバビリティ」を期待したい人には、この動力性能はフィーリングの点で物足りないかも……。
200万円を下回ったスターティング・プライスは確かにインパクトがあるけれど、ちょっと“チョッピー”な乗り心地や後席頭上空間の不足を、それを達成のためのエクスキューズにはして欲しくない。そして何を置いても個人的に最も不満に思うのは「ボディカバーを掛けたらプリウスにしか見えない」という、“パクリ感”が否めないホンダ車にあるまじきそのシルエット!
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。ワールド・カーオブザイヤー選考委員、インターナショナル・エンジンオブザイヤー選考委員。
《河村康彦》