IKEAの自動車…で、その正体は?

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IKEAの自動車…で、その正体は?
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スウェーデンを本拠とする大手家具チェーン、イケア(IKEA)のフランス法人が3月31日に発表するとしていた「イケアの自動車」とは、インターネットを使った「乗り合いマッチング」プロジェクトだった。

この企画は、3月下旬からイケア・フランスが特設サイトを通じて、「イケアの考える自動車」という名のもと告知されていた。

ベールを被った自動車と思われる物体が置かれ、環境に優しいと解説されていたことから、欧州のメディアでは「イケアブランドの自動車誕生か?」「翌日のエイプリールフールに掛けたものか?」とさまざまな憶測がなされていた。

乗り合いシステムは、「コヴォワトュラージュ」と呼ばれるもの。ネットを介して自家用車のドライバーと、乗り合い希望者を結びつけるシステムだ。

イケアは、サイトの提供・管理に徹する。フランスでは以前からいくつかの団体を通じて推進されてきたもので、今回イケア・フランスもその一団体と提携した。

まずドライバー/乗り合い希望者とも、あらかじめ専用サイトを通じて氏名、性別、メールアドレス、携帯番号などを登録する。顔写真の掲載もできる。

次にドライバーの場合、自分の出発地・時刻と到着地をダイアログボックスから選択する。すると、距離・所要時間・CO2排出量、そして乗り合い希望者から徴収できる料金が自動的に算出される。

たとえばパリのオルリー空港からセーヌ左岸の15区までは19km、24分で、CO2排出量は7kg、料金は乗り合い1人あたり1ユーロだ。

いっぽう乗り合い希望者は、希望出発地・時刻、希望到着地、荷物の有無などを入力する。

ドライバー/乗り合い希望者どちらからでも、サイト上で希望に合致する相手を見つけたらコンタクトをとれる。

この企画に関してイケア・フランスは、何よりWWF(世界保護基金)とのコラボレーションによる環境保護であることをアピールしている。

だが入力する出発地・到着地の一例として、国内26店舗もダイアログボックスで簡単に選べるようになっていることから、来店誘導効果も目論んでいるのは明らかだ。

なお乗せる側・乗る側とも、「動物可」「車内で音楽を聴きます」「禁煙」そして「車中で会話歓迎」の4項目が選択できる。

問題がある利用者を発見した場合は通告できるほか、管理者も監視を行なう。

スタートした3月31日の午後7時現在、ドライバーが4名(男2、女2)、乗り合い希望者が6名(男2、女4)の計10名がコンタクトを待っていた。

イケアが予告で、「ボディ形状がワゴンやカブリオレに変化する」とほのめかしていた“その心”は、実はこんなエコ企画だったのだ。

●イケア・フランスのコヴォワトュラージュ
http://covoiturage.ikea.fr/

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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