【ホンダ脳インターフェイス】脳血流と脳波のハイブリッド

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【ホンダ脳インターフェイス】脳血流と脳波のハイブリッド
【ホンダ脳インターフェイス】脳血流と脳波のハイブリッド 全 9 枚 拡大写真

ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン(HRI-JP)、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、島津製作所の3社は3月31日、人間の思考を脳情報から直接読み取り、機械にコマンドを送るBMI(ブレイン・マシン・インターフェース)に関する新技術を発表した。

今回の新技術の注目点は2つ。まずは思考を読み取るための基礎情報となる脳情報の抽出・解析技術、スパースネス・アルゴリズム。このアルゴリズムはスペクトルアナライザーの一種で、極めて高度なもの。

あえて簡単に説明すると、脳内の血液の流れと脳波の2つの脳情報をスキャンし、両者のイメージの中から特定思考のときに浮かび上がる特徴を効率よく抽出して判定するというしくみだ。

ホンダとATRは2006年、人間の脳血流の変化から思考を読み取り、考えるだけでグー、チョキ、パーのコマンドをロボットに送ることができるBMI技術を発表していたが、今回は脳血流と脳波のハイブリッドに進化した。

脳血流の測定は脳のどの部位に変化が起こっているかということを読み取るのにはとても有用だが、反応が表れるタイムラグが大きく、詳細な変化もわからなかった。それに対し、脳波は脳のどの部位が反応しているかはわからないが、細かい反応の変化が顕著に表れ、しかもリアルタイムである。両者を併用してデータの相互補完を行うことで、より的確で素早い思考の読み取りが可能となったという。

もう一つは、測定される人間の行動の自由がある程度確保されていること。脳血流の読み取りにNIRS(近赤外光分光装置)、脳波の読み取りにEEG(脳波計)を用いているが、センシングに島津製作所のアイデアが生かされ、頭部にセンサーを装着した状態でも一応動き回ることが可能である。コンピュータはまだ大がかりなものだが、無線通信などの技術を併用すればケーブルレスにすることは可能な段階に到達しているとみられる。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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