矢野経済研究所は、国内カーエレクトロニクス(カーエレ)市場の調査を実施した。
調査では主要なカーエレクトロニクス35品目をパワートレイン系、シャシー系、ボディ系、パッシブセイフティ系、アクティブセイフティ系の主要5分野に分類し、分析した。
調査結果によると、縮小傾向にある世界乗用車市場は、2007年の販売台数規模に回復するには、11 - 12年までかかるものと予測、今後の増加分は新興国市場によるものが大半としている。そうした新興国での販売を想定した乗用車は低価格・低燃費車であることが予想され、カーエレクトロニクスもそうしたクルマに適合したかたちに進化してゆくと見ている。
09年から14年における主要分野別の年平均成長率は、アクティブセイフティ系で114.0%と、主要5分野のうち、大きな平均成長率を示すと予測。この背景には、世界で販売される乗用車がコンパクトカー志向になるとしても、アクティブセイフティ系カーエレクトロニクスが時代の要請として継続的に求められるためとしている。
11 - 12年の乗用車市場が回復するころの自動車は、新興国向けに低価格でコンパクトで、かつ魅力的でなくてはならないとしている。低価格なエコカー(ハイブリッドカー、電気自動車)の実現や、ガソリンエンジン車への電子制御CVT搭載が進み、さらにその先の将来には電気自動車向けにX by Wire技術が重要視される。
また、スマートフォンがそのユーザー・インターフェイスで市場を急拡大させたように、ユーザと直接触れ合う車室内のデザインや「ヒューマン・マシン・インターフェイス」をより魅力的にするためのカーエレクトロニクスが強く求められていくとしている。