メルセデスベンツの燃料電池コンセプト、歴史的ルートを走行

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メルセデスベンツの燃料電池コンセプト、歴史的ルートを走行
メルセデスベンツの燃料電池コンセプト、歴史的ルートを走行 全 13 枚 拡大写真

ダイムラーは27日、メルセデスベンツ『F-CELLロードスターコンセプト』をテスト走行させたと発表した。そのルートは1888年、世界最初のガソリン自動車、1886年式ベンツ『パテントモトールヴァーゲン』がたどった行程と同じだった。

【画像全13枚】

F-CELLロードスターコンセプトは3月に初公開。1886年式ベンツパテントモトールヴァーゲンをモチーフに、最新の燃料電池システムを搭載したコンセプトカーだ。

このコンセプトカーを企画したのは、ドイツ・ジンデルフィンゲン工場の若手社員や職業訓練生。馬車のような細い車輪は、約120年前の当時を偲ばせるものだが、グラスファイバー製フロントノーズは、最新F1マシンに似たデザイン。レトロとモダンを巧みに融合させている。

リアに積まれる燃料電池は出力1.2kW。スケルトンパネルの向こうに置かれたシステムが斬新だ。ステアリングホイールの代わりにジョイスティックで操作。25km/hで最大350kmをゼロエミッション走行できる。

今回のテスト走行は、偉大な先駆者に敬意を払って行われた。1888年にカール・ベンツの妻、バーサ・ベンツと息子2人が、ベンツパテントモトールヴァーゲンに乗り込み、世界初のロングツーリングに出かけた。その時と同じルートが選択されたのだ。F-CELLロードスターコンセプトは当時と同じようにマンハイムを出発。25km/hというゆっくりした速度でヴィースロッホを目指した。

ところで、ベンツパテントモトールヴァーゲンはガソリンタンクを搭載していなかった。そこで目的地のプフォルツハイムの手前のヴィースロッホで給油する必要があったのだ。しかし、当時はガソリンスタンドなど存在するはずもなく、ヴィースロッホの薬品店が給油に協力。その薬品店は現在も経営を続けており、世界初のガソリンスタンドとして親しまれている。そのヴィースロッホの薬品店が、今回のテスト走行の目的地に据えられた。

そして、F-CELLロードスターコンセプトは無事完走。ダイムラーのトーマス・ウェバー研究開発担当取締役は、「ガソリンスタンドもない時代にロングツーリングに挑んだバーサ・ベンツの勇気は賞賛に値する。我々は彼女の精神を受け継ぎ、燃料電池など革新的技術を搭載した環境対応車の開発を強化していく」とコメントしている。

ダイムラーは年内、『Bクラス』をベースにした燃料電池車を少量生産する予定。また、2010年初頭にドイツ・ベルリンで開始する実証実験に向けて、年内には電気自動車のスマート『フォーツーed』がラインオフすることになっている。

《森脇稔》

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