独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は12日、ロシア連邦イルクーツク州のボリシェチルスキー鉱区とザパドナ・ヤラクチンスキー鉱区で、新たに海外地質構造調査事業を行うと発表した。
同機構は、12日にイルクーツク石油との間で新たに設立する合弁会社アイエヌケー・ザパド社を通じて共同で探鉱調査事業を実施していくための事業実施契約を締結した。
また、探鉱調査事業実施のため、契約に先立ち、イルクーツク石油とプロジェクト&テクノロジー社の合弁会社であるアイエヌケー・ネフテガスゲオロギア社が保有する両鉱区の鉱業権ライセンスをアイエヌケー・ザパド社に移譲する権益譲渡契約を合わせて締結する。
今回対象となる両鉱区は、イルクーツク州の州都であるイルクーツク市の北約700km、同機構が現在、イルクーツク石油と共同で探鉱調査を進めているセべロ・モグジンスキー鉱区の南約300kmに位置する。周囲には、ヤラクチンスコエ油田やベルフネチョンスコエ油田といった既発見油田が存在するほか、現在建設中の太平洋パイプラインに隣接しており、これらとのシナジー効果が期待される。
東シベリア地域は、日本と地理的に近接性があり、大量の原油や天然ガスの存在が期待されるものの、厳しい自然環境やインフラが未整備なため、十分な調査が行われていないが、今回の探鉱調査事業は、埋蔵量ポテンシャルの一部を調査するもの。2013年の探鉱調査期限までに合計2200km以上の地震探査、6本以上の坑井掘削などの探鉱調査作業を実施していく予定。
また、将来同地域から生産される原油は、現在、建設が進められている太平洋パイプラインの第一期工事に引き続き第二期工事が具体化され、太平洋岸まで延伸される場合には、日本を始めとする北東アジア市場に供給される見通し。