【アウディ Q5 試乗】カテゴリーベスト…岡本幸一郎

試乗記 国産車
【アウディ Q5 試乗】カテゴリーベスト…岡本幸一郎
【アウディ Q5 試乗】カテゴリーベスト…岡本幸一郎 全 9 枚 拡大写真

少し前までBMW『X3』の独壇場だったカテゴリーに、先ごろメルセデスベンツ『GLK』が名乗りを上げたばかりで、そこにアウディ『Q5』も戦線に加わったわけだが、結論からいうと、このカテゴリーでベストといえる仕上がりだった。

走りにSUVであるがゆえのハンデはあまり感じられない。重量が重く、重心が高く、バネ下が重いながらも、こうも上手くまとめられるのかという運動神経を身に着けていた。乗り心地に不快な固さもない。まずこの点でライバルを一歩リードする。

内外装のデザイン性も高く、クオリティ感も申し分ない。MMI(マルチメディアインフォメーション)のカーナビのバージョンが新しくなったことも大歓迎だ。

全体の完成度の高さは『Q7』をもしのぐ印象で、価格に対するバリューにおいては、ライバル2車はいわずもがな、『A4アバント』すらも上回るように思う。それでも日本で乗るには1900mmもある全幅がネックか……。

興味は、「2.0TFSI」と「3.2FSI」、はたしてどちらを選ぶべきか、というところにいきつくわけだが、これがまた難しい。

エンジンスペックでは、2.0TFSIのほうがトルク特性で3.2FSIを上回り、実際に運転してもそのとおり。実用域でターボらしく盛り上がり感のある加速を味わえる2.0TFSIはさらに、鼻が軽い分、ノーズが入りやすく、グイグイと曲がっていく。走り味に軽快感がある。

ただし、扱いやすさでいうと3.2FSIが勝る。雪道など悪路を走ることを考えると、直線的な加速特性を示す自然吸気ユニットのほうが適するだろう。もちろん、V6の重厚な響きも捨てがたい。

さらに、両グレード間の装備では、本革シートやクルーズコントロール、19インチタイヤなどが標準装備されるか否かという問題があり、約90万円という価格差のうちのかなりの部分は実質的に帳消しとなる。考えれば考えるほど、どちらを選ぶべきか迷うところだが、筆者なら最終的には2.0TFSIの「Sライン」を選ぶ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岡本幸一郎|モータージャーナリスト 
ビデオマガジン『ベストモータリング』の制作、自動車専門誌の記者を経てフリーランスに転身。新車から中古車、カスタマイズ事情からモータースポーツ、軽自動車から輸入高級車まで、幅広い守備範囲を誇る。「プロのクルマ好き!」を自負し、常にユーザー目線に立った執筆を心がけている。

《岡本幸一郎》

岡本幸一郎

1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. なぜ? アルファロメオ『ミラノ』の車名を禁じられる…なら『ジュニア』だ!
  2. レクサス最小の『LBX』は、「サイズ的ヒエラルキー」から脱却できたのか?
  3. 女性向けキャンピングカー「Nomad Lux」デビュー 5月3日初公開
  4. サスペンションの新常識! 1G締めがもたらす驚きの効果とは?~カスタムHOW TO~
  5. 三菱ふそうが苦肉の策、工場の従業員を“出稼ぎ”でバスの運転手に[新聞ウォッチ]
  6. マツダの新型セダン、ティザー…間もなく中国で実車発表へ
  7. トヨタ『4ランナー』新型にオフロード向け「TRDプロ」仕様を設定…ハイブリッド i-FORCE MAX 搭載
  8. VW ゴルフ が表情チェンジ…改良新型の生産開始
  9. トヨタ、堤工場の停止期間を再び延長、ダイハツは5月から全工場で生産再開[新聞ウォッチ]
  10. ホンダが新型EV「イエ・シリーズ」を中国で発表…2027年までに6車種を投入へ
ランキングをもっと見る