国内第2の鉱山…田中貴金属、リサイクルシステムを展開

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田中貴金属工業は23日より、一般消費者に安心、明確な金・プラチナ買取基準を明示する貴金属ジュエリーリサイクルシステム「RE:TANAKA」(リ・タナカ)を展開する。

池田収貴金属部部長はリサイクル市場を「国内第2の鉱山」と呼ぶ。2008年の日本の貴金属ジュエリーリサイクル市場の規模は、金が29.9t、プラチナが18t。田中貴金属はRE:TANAKAにより、市場退蔵している貴金属資源を掘り起こし、市場拡大を図る。

世界の貴金属の需要と供給は、例えば金の鉱山供給が05年から減少、プラチナは鉱山が特定地域に偏在し、また供給が安定していない。「日本では海外からの供給が大部分を占め、自動車排ガス浄化触媒用プラチナなど工業需要が伸びる中、安定調達・有効活用がテーマ」(池田部長)とされている。

貴金属の価格上昇にともない、中古宝飾品スクラップは活発化している。ところがリサイクル市場には多種多様な買取業者が存在し、貴金属価値の算定基準が一定しない。一般消費者には適正価格が不透明で、不利益、不信感を与えかねない。田中貴金属の調査によると、全国の20 - 69歳の女性の93.7%がリサイクルまたは買取を知っており、49.4%が利用したいと答えるいっぽう、実際の利用は14.6%になっている。

RE:TANAKAでは専用に開発された蛍光X線検査装置を導入し、貴金属ジュエリーの貴金属価値(品種、品位)を鑑定、当日の金・プラチナ相場を反映した全国統一の買取価格を明示する。この価格はウェブページでも公表される。

買取したジュエリーは再販・転売せず、すべて田中貴金属の工場で貴金属資源に精錬し、地金や工業用製品などに活用される。宣伝・広告も「高値買取」は謳わず、「貴金属の有効活用」を訴求する。

RE:TANAKAは田中貴金属の直営店であるGINZA TANAKAの7店舗および全国特約店のうち22店舗にて展開する。1年以内に特約店参加店舗を40店舗に拡大する予定だ。

初年度の取扱量目標を、貴金属ジュエリーリサイクル市場シェアの20%、5年以内に40%と設定する。2008年ベースで地金純量として初年度に金:6t、プラチナ:3.6t、取扱額:計300億円になるが、池田部長によると、取扱量は市場の動向によって上下し、また予想がしにくいので、シェアを目標にするという。

《高木啓》

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