NEC、車載レーダシステム向けの集積回路を開発

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NECは、シリコン(Si)基板上での窒化物半導体トランジスタを用いた車載レーダシステム向け76GHz帯送信アンプの動作を世界で初めて実証した。

送信アンプは、高い出力性能や耐圧、高温動作が可能な窒化物半導体トランジスタ集積回路をSi基板上で作動させたもので、実用化されれば車載レーダシステムの低コスト化と高信頼性の両立につながる。

衝突回避を支援する車載レーダシステムは、車の電子化による予防安全システムの一つで、一部の高級車に搭載されているがシステムコストが高く普及を妨げる一因となっている。システムの低コスト化のためには、主要部のひとつで、電波の送受信を行うミリ波モジュールのコストを下げる必要がある。

このモジュールを構成するミリ波送信アンプなどのミリ波集積回路は従来、砒化ガリウム半導体トランジスタを用いて作製されてきた。

今回開発したトランジスタは、安価で大量生産が可能なSi基板を採用したトランジスタを作製。従来高周波化が困難であったSi基板上の窒化物半導体で、高い動作周波数(最大発振周波数160GHz)と高い耐圧(55V)を実現し、車載レーダシステムに必要とされる出力性能を十分にカバーする。

Si基板上での誘電損失の影響を抑えるコプレーナ線路を採用し、Si基板の特性が引き起こす高周波信号の減衰を抑制した集積回路を実現した。Si基板上の窒化物半導体トランジスタに特有の発熱、高周波信号の損失に考慮し、ミリ波領域まで対応可能なGaNトランジスタ大信号モデルと受動回路モデルを開発・採用することで信号増幅器として高出力・広帯域な性能を実現したとしている。

今後、低コストで信頼性の高い車載レーダシステム向けのミリ波集積回路の実現につながる見通し。

《レスポンス編集部》

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