富士スピードウェイ F1中止…歴史はふたたび

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
富士スピードウェイ F1中止…歴史はふたたび
富士スピードウェイ F1中止…歴史はふたたび 全 4 枚 拡大写真
富士スピードウェイ株式会社は、7日夕刻、都内で緊急記者会見を開き、同日昼に発表した「2010年以降のF1日本GP開催中止」について詳細を説明した。

わずか2年でF1開催にピリオドを打った富士スピードウェイ。会見で加藤裕明社長は「環境さえ整えば、再び(開催に)手を挙げることもあるでしょう。ただ、そんなに簡単なことではないと思います」と語っており、近未来の復活は見込み薄だ。

否定的な見方をするなら、今回の“撤退”はかなり以前からの既定路線だったようにも思える。

富士が実質的にトヨタ傘下のサーキットとなったのは2000年。05年には大規模リニューアルを果たし、06年に鈴鹿&ホンダから翌07年以降の開催権を奪い取るようなかたちで、勇躍、F1開催に乗り出した。

ところが、07年の初回開催の前に、早くも「09年以降は鈴鹿との隔年交互開催に」とトーンダウン。F1を開催するためには、F1の商業権を掌握するバーニー・エクレストンと彼の組織であるFOA、FOMなどとの苛烈な折衝が必要となる。そして、相手側の鶴の一声で、すべてを変更しなければならないことも多いとか。

思えば、07年のF1開催直前には、プレスルームのモニターを全部取り替えたりもさせられていた。それが相手側の一存だったとは限らないが、とにかく立場が強いのは向こうであって、一事が万事そんな調子では、富士側のやる気が失せてしまうのも無理からぬところ……?

そこへ07年の大失態が重なり、08年こそコスト度外視であろう“大奮起”で信用回復を果たしたが、「これでもういい。経済状況も悪化したことだし……」というムードが、どことなく漂っていたことは否めない。

現在はトヨタの傘下にある富士だが、そうなるよりずっと以前の1976 - 77年にもF1を開催したことがあった(76年はF1世界選手権イン・ジャパン、77年はF1日本GP)。だが当時も、観戦禁止エリアにいた観客の死亡事故等があり、2年のみで開催は途絶えた。30年後の復活もまた、2年で開催途絶。悲しい運命を繰り返す結果に……。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  2. アイシンが明かす、トランスミッションの膨大な経験値とノウハウが電動化を主導する理由
  3. 「めっちゃカッコよくない?」無限仕様の新型『プレリュード』が話題に、SNSではホイールにも「たまらない」の声
  4. メルセデスベンツ、全固体電池搭載『EQS』で1205km無充電走行を達成
  5. メルセデスベンツ『GLC』新型、インテリア先行公開…史上最大39.1インチディスプレイ採用
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る