好評のオーディオ機能を継承
----:AV機能に関してはいかがですか。旧モデル(NX808)は他社に先駆けて搭載したDAEP(Dolby Automotive Entertainment Program)を初めとして、とくにオーディオ面で高い評価でしたが。
滝沢:DAEPやバーチャルバスといったオーディオ機能はお客様にも大変好評でして、809でもこの機能を引き継いでいます。ビジュアル面では、地デジに関してチャンネル選局を高速化するなどのチューニングを施しています。
◆5年越しの進化
----:では、09モデル最大のトピックであるプローブ導入の件について大原さんにお聞きします。まず、今回のリアルタイムプローブ導入に至るまでの、クラリオンナビのルート品質向上に対する取り組みについてお聞かせください。
大原:ナビメーカーにとって、到着予想時刻の精度向上はきわめて重要な開発課題です。99年頃すでにビーコンによる渋滞回避ルートに対応していましたが、05年にビーコンVICSによる渋滞回避ルート探索の精度向上を行い、06年には過去数年分のVICS統計データを利用した渋滞予測ルート探索を実現させました。07年は、探索エンジンのパラメータやロジックを変更することで精度向上を図り、08年も引き続きチューニングに取り組みました。そして今年、日立さんが展開されているタクシー向けの業務用無線を活用したプローブをクラリオンのナビで活用できないか、という話が出まして、今回の採用に至りました。
----:VICSやその統計データでは精度の向上に限界があった、と。
大原:06年にVICS統計データの利用を始めましたが、開発を進めるうちにただ単にデータを持ってきただけでは精度に優れたルートは引けないというのが分かってきました。07年と08年のチューニングを通じて、情報を取捨選択するノウハウを獲得できましたから、リアルタイムのタクシープローブが入っても質の高いルートを出すことができます。タクシープローブは現状都内23区のみのデータ提供となっておりますが、順次全国に拡大する予定です。また、クラリオンナビを使っているユーザーからのアップリンクが増えれば更なる精度の向上が図れるでしょう。