ケーターハム、増産を決定

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ケーターハム、増産を決定
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イギリスのケーターハム社は7日、今年の『スーパーセブン』の生産台数を10%増加させると発表した。販売好調を受けての対応である。

ケーターハム社は1973年に設立。ロータスの販売店社長だったグラハム・ニーアン氏が、ロータス『セブン』の生産終了を惜しみ、ロータスから生産設備を譲り受け、セブンの生産を開始したのが最初だった。

当初はロータス時代のセブンのファイナル仕様、「シリーズ4」を生産していたが、顧客の要望に応えて、ひと世代前の「シリーズ3」にシフト。これが大成功する。

エンジンはフォード製の「シグマ」と「デュラテック」を搭載。なお現行セブンは、ロータス時代と区別するため、『スーパーセブン』と呼ばれることが多い。

スーパーセブンは、ロータスセブンの流れを汲み、鋼管スペースフレームにアルミ製シャシーを組み合わせ、痛快なハンドリングを実現。2005年には、元ロータス社のアンサー・アリ氏がケーターハム社を買収。2007年にはセブン誕生40周年を記念した『ロードスポーツ』が投入された。

今回の増産は、スーパーセブンが多くのバックオーダーを抱えたのが理由。とくに『ロードスポーツ175』や『スーパーライトR300』の人気が高いという。

スーパーライトR300は、2002年モデルの再生産仕様として、今春投入。スーパーライト300は2002年、ローバー製エンジンを載せて登場し、ケーターハム製スーパーセブンとしては、最も売れたモデルとなった。しかし、ローバー製エンジンの供給が困難になったため、生産を中止していた。

再生産されたスーパーライトR300は、フォード製エンジンを搭載。2.0リットル直4デュラテックは最大出力177ps、最大トルク19.2kgmを発生する。このエンジンを含めても、車両重量はわずか515kgと圧倒的な軽さは健在だ。

実際、パワーウエイトレシオは2.9kg/psとスーパーカー並み。6速MTを介して、パワーは後輪に伝達され、0 - 96km/h加速は4.5秒で駆け抜ける。そして、そのまま加速は衰えず、225km/hの最高速度に到達する。

軽量化のために、フロントノーズやフェンダー、ダッシュボードはカーボンファイバーを使用。サーキット走行を楽しむ顧客のために、データロガー、ドライサンプオイルシステム、LSDなど、豊富なオプションが用意される。英国での価格は、2万4995ポンド(約377万円)からだ。

スーパーセブンの高い人気に対応して、ケーターハム社は、英国ケント州ダートフォード工場に、数名のスタッフを増員。今年の年産台数を420台から45台程度引き上げ、465台以上とする。10月中旬まで埋まっている受注残を解消するのが狙いだ。

ケーターハム社のアンサー・アリ氏は、「英国だけでなく海外での販売も好調。フランス、イタリア、日本、ドイツなどの販売代理店の功績も大きい」とコメントしている。英国の名門は、世界的な不況の中でも確かなニーズをつかんでいるようだ。

《森脇稔》

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