別れ話を切り出した交際相手の女性を拉致し、車内に監禁した状態で兵庫県神戸市から滋賀県米原市内まで連れ回したとして、兵庫県警は8日、50歳の男を生命・身体加害略取容疑で再逮捕した。女性に対して「殺す」と脅していたが、殺意については否認しているという。
兵庫県警・生田署によると、逮捕された男は6日の午前10時30分ごろ、神戸市中央区内に住む39歳の女性を自宅マンション前で拉致。クルマの後部座席に監禁した状態で約200km離れた滋賀県米原市内まで連れ回した疑いがもたれている。
被害者の女性は今年3月、兵庫県警に対し、「交際相手が別れることを拒否しており、つきまとっている」とストーカー被害を訴えていた。同署は110番に発信するだけで通報者を特定する“110番登録制度”を女性に勧め、女性はこれに応じて登録を行っていた。
女性は監禁された直後、所持していた携帯電話から110番を発信。以後はつなぎっぱなしにした状態にして、会話の中に地名などの情報を入れていた。
警察はこれを元に広域手配を実施。クルマが長野県に向けて進行していると判断し、大阪、京都、滋賀の各府県警に情報を伝達した。この結果、6日の午後1時ごろ、名神高速道路をパトロールしていた滋賀県警・高速隊のパトカーが容疑車両を発見。米原市内のサービスエリアで強制抑止し、職務質問を実施したところ、男の無免許運転が発覚したために道路交通法違反の現行犯で逮捕。後部座席の女性も無事に保護した。
後の調べで、男は女性に対して殺害をほのめかしながらクルマを走らせていたことが判明。何らかの危害を加える目的があったものと断定し、生命・身体加害略取容疑で再逮捕した。調べに対して男は「殺すつもりはなかった」などとして、殺意を否認する供述を繰り返しているようだ。