男性ひきずり死亡事件、被告の悪質性を認め実刑に

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昨年12月、大阪府泉佐野市内でクルマにしがみついた男性を約1kmに渡ってひきずり、振り落として死亡させたとして、傷害致死などの罪に問われた29歳の男に対する判決公判が22日、大阪地裁堺支部で開かれた。裁判所は懲役6年6か月の実刑を命じた。

判決公判で、大阪地裁堺支部の飯島健太郎裁判長は、被告の男が会う予定だった女性に対して「以前に撮影した下着画像をインターネットに流す」などと脅迫していたと指摘。女性から相談を受けた男性が代理として現場に来ていたが、被告は逆に脅迫されることを恐れ、男性をひきずったままクルマを走らせていたと認定した。

裁判長は被告側が主張していた緊急回避説を退け、男性を傷つける意志があったものと認め、「犯行は極めて悪質」と指摘。被告に対して懲役6年6か月の実刑判決を言い渡している。

問題の事件は2008年12月30日夜に発生した。泉佐野市下瓦屋付近の市道を走行していた軽乗用車が路外に逸脱し、道路右側にある民家のコンクリート外壁に衝突した。クルマは中破。車外から運転席に半身を乗り入れた状態だった30歳の男性が死亡した。

クルマを運転していた男は出会い系サイトで知り合った18歳女性と会う予定だったが、待ち合わせ場所には女性ではなく死亡した男性が登場。男性は運転席のガラスを殴打し、「出て来い」などと脅した。男性は車内に半身を乗り入れてきたため、暴行を恐れた男はクルマを急発進。以後は蛇行などを繰り返し、最終的に壁へクルマを故意に衝突させたという。

警察は「未必の殺意が生じていた」として殺人容疑で男を逮捕。しかし、男は緊急回避を主張したため、検察は「殺意の立証が難しい」と判断。殺人罪での起訴は断念し、傷害致死罪で起訴していた。

《石田真一》

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