【ホンダ マリン】大型船外機の性能向上

自動車 ニューモデル 新型車
【ホンダ マリン】大型船外機の性能向上
【ホンダ マリン】大型船外機の性能向上 全 4 枚 拡大写真

ホンダの船外機に今年、2つの新モデルが加わった。一つはオールブランニューの60馬力級中型船外機『BF60』。もう一つはマイナーチェンジされた大型船外機『BF175/200/225』だ。

大型船外機BF175/200/225(175 - 225馬力)はマイナーチェンジではあるが、リーンバーン(希薄燃焼)制御の高度化による燃費アップ、水中の抵抗を削減する新形状のギアボックスケース採用による最高速度引き上げ、空燃比連動点火時期制御「BLAST」の採用による中低速域の加速力増強など、フルモデルチェンジに近い性能向上が図られている。

エンジンは3.5リットルV6で、可変バルブタイミングリフト機構VTECが装備される。ベースエンジンは北米向けのSUVである「アキュラMDX」で、高回転で長時間連続運転する船舶用途に合わせて各部が改設計されている。

ホンダはクルーザーの船体を手がけていないため、エンジン単体での販売が基本。もっとも、エンジンのみでは船体とエンジンの両方をラインナップするヤマハ、ヤンマーなど上位メーカーからシェアを奪うのは容易ではない。船体のみでエンジンを持たない日産マリーンにエンジンをOEM供給するが、「ホンダブランドでシェアを何とか16%まで伸ばしたい」(ホンダ関係者)と、さらに船体メーカーへの売り込みを強化する構え。

このホンダエンジンがセットアップされたスポーツクルーザーのひとつが、三浦半島にある湘南サニーサイドマリーナが輸入代理店となっているアメリカ製のクルーザー『ROBALO』。

本国のカタログではヤマハがデフォルトだが、日本ではホンダが標準だ。取材した「ROBALO R225」は全長6.78m。価格はトータルで約1000万円と、小さいながらも流し台やシートのあるキャビンを持つクラスとしては、ライバルより200万円から300万円ほど安いという“お買い得モデル”だ。

試乗当日は少し波があったが、40ノット(約72km/h)くらいで少々大きな波に当たってもハル(船底)が衝撃をかなり柔らかく受け止めてくれるようなフィーリングで、乗り心地は至って良好だった。エンジンはV6の軽やかなサウンド。加速力増強については、旧モデルとの比較ができないためわからなかったが、スロットルを開けたときのレスポンスは非常に良好だった。

2馬力から225馬力まで、バリエーションを19機種に増やしたホンダの船外機。果たして世界販売の6分の1に相当するシェアをつかむことができるか。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 日産 リーフ 新型を発表、第3世代は航続600km超のクロスオーバーEV
  3. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  4. 日産 リーフ 新型の価格を予想する!…ベースは400万円台前半か
  5. サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る