「(子離れして時間的余裕がある)成熟した大人が、奥様とロングツーリングに行こうかというシーンなどに凄く“はまる”と思います」と話すのは、日産『スカイラインクロスオーバー』を開発した、デザイン本部プロダクトデザイン部の田中専治さん。
北米ではブランド違いの双子車としてインフィニティ『EX』がある。「アメリカでは家に1台SUVがあります。ご主人用でクーペがあり、もう1台付け加える時に奥様が日頃の買い物などに使う場合にはEXが適しています。アメリカでの位置づけはインフィニティとしてのエントリーモデルです」と田中さんは語る。
インフィニティのSUVとしては上級に『FX』がある。「FXはマスキュリーという形、男性っぽいですね。それに対しEX(=スカイラインクロスオーバー)は女性にも受け入れられるようなエレガントさという方向です。インフィニティとしての表現方法は同じところを狙っていますが、趣向が違うのです」という。
インフィニティとしての表現方法とは、「まず、日本人が感じている勢いの表現というのは、例えば自然の中にある波のカーブであるとか、火の燃え上がり方などの、自然のなかにある勢いという表現と考えています。そして、艶やかさ、凛とした感じ、気品と躍動感のバランスをインフィニティとしてのデザインの表現と考えています」。
「そして、先代FXや『G』(=スカイライン)でその方向性が決まりはじめ、その方向性を表現したのがこのモデルです。そこからさらに表現を強くしたのがジュネーブモーターショーに出た『エッセンス』コンセプトとなっているのです」