ポルシェは7日、『911ターボ』のマイナーチェンジモデルを発表した。ツインターボエンジンは、排気量を3.6リットルから3.8リットルへ拡大し、最大出力500psを獲得。0-100km/h加速3.4秒、最高速312km/hという世界最高峰の性能を手に入れた。
今回、ポルシェは911ターボの7世代、35年の歴史において、初めてエンジンを直噴化。「カレラS」などの直噴3.8リットル水平対向6気筒をベースに、可変タービンジオメトリー付きツインターボを追加した。
最大出力は500ps/6000rpm、最大トルクは66.3kgm/1950 - 5000rpmと、旧3.6リットルよりも20ps、3.1kgmパワーアップ。「スポーツクロノパッケージ」のオーバーブーストモードでは、最大トルクは71.4kgm/2100 - 4000rpmだ。ボディの軽量化の効果もあり、0-100km/h加速は0.3秒短縮して3.4秒、最高速312km/h(3.6リットルと同じ)という、世界トップクラスの性能を実現する。
直噴化は環境性能の向上にも貢献。CO2排出量は旧3.6リットルよりも約18%削減し、欧州複合モード燃費は8.55 - 8.77km/リットルを達成した。
トランスミッションは、5速ATに代わるパドルシフト付きの7速2ペダルMT「PDK」と6速MT。PDKにオプションの「スポーツクロノパッケージ」では、ローンチコントロールを可能にするとともに、オーバーブースト機能が付く「スポーツ/スポーツプラス」の2モードが選択できる。
駆動方式はPTM(ポルシェ・トラクション・マネージメント)を備えた電子制御フルタイム4WD。PSM(ポルシェ・スタビリティ・マネージメント)に加え、新開発のPTV(ポルシェ・トルク・ベクトリング)をオプション設定し、正確なハンドリングと高レベルのドライビングプレジャーを追求した。
新しい911ターボは、9月のフランクフルトモーターショーで正式発表後、ドイツでは11月21日から販売開始。日本では8月22日からオーダー受付がスタートする。クーペとカブリオレの2ボディが用意され、価格はクーペが1976万 - 2051万円、カブリオレが2230万円だ。
ポルシェが今回のマイナーチェンジで、おそらく意識したのは日産『GT-R』だろう。新しい911ターボは、日産GT-Rの0-100km/h加速3.5秒、最高速310km/h(リミッター解除時)を上回っており、両車のバトルが再燃するかもしれない。