[ホンダデザイン総括]DNAはスポーツカーとトラック

自動車 ビジネス 企業動向
[ホンダデザイン総括]DNAはスポーツカーとトラック
[ホンダデザイン総括]DNAはスポーツカーとトラック 全 14 枚 拡大写真

1963年、ホンダは2つのクルマを発売した。ひとつは『T360』と呼ばれるトラック。次いで、『S500』。最初にこの2つを作ったというのが、まさにホンダのDNAとしてホンダの考え方を象徴している---。

そう話すのは本田技術研究所常務取締役、四輪R&Dセンターデザイン開発室室長の海老澤伸樹氏。本田技術研究所はホンダ製品の開発・研究を担当する、本田技研工業の子会社。通称“研究所”。ホンダ四輪デザインを総括する。

まずは、S500というスポーツカー。「クルマを操る楽しさだとか、ダイナミズムといったことを象徴するようなスポーツカーです」。そしてT360は「道具としてのクルマ、物を運ぶ、人に対しての便利な、いかに道具として役に立っているかというファンクショナリティなクルマ」。

つまり、ダイナミズムとファンクショナリティ、この2つを代表するようなクルマを最初に出しているというのが、ホンダの基本的なスタンスだということだ。そして、このダイナミズムとファンクショナリティが色々なクルマ1台の中に混ざりあっている。それがホンダ車の基本的な考え方だという。

「例えば、1990年に発売した『NSX』、日本で最初のスーパースポーツといわれたクルマだが、当時は色々意見がありました。スーパースポーツなのにこんなトランクがあっていいのかとか。スーパースポーツであっても、日常的なファンクショナリティを出していくというのがこのクルマの大きな思想だったのです」

「1994年に発売した初代の『オデッセイ』。これは、沢山の人が同時に移動できるというひとつの機能を追求したクルマだが、ただ沢山運ぶのではなくて、その中でいかに快適に移動できるかという、一種のダイナミズム、クルマを操る楽しさというのをこの中にも入れ込もうと考えてきたのが、このオデッセイの最初のコンセプト」

「そして、2007年の東京モーターショーの『CR-Z』コンセプト。これもスポーツカーというものとハイブリッドという新しい機能とをいかに組み合わせて新しい世界を作れるかというひとつのトライアルなのです」

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る