パソコンを使って精巧に偽造した運転免許証を、インターネット上の闇サイトを通じて全国に販売していたとして、北海道警は19日までに北海道函館市内に在住する42歳の男を有印公文書偽造や詐欺容疑で逮捕した。
北海道警・交通捜査課によると、逮捕された男は2004年ごろからパソコンを用いた運転免許証の偽造を開始。インターネット上の闇サイトなどを通じ、全国28都道府県に在住する約130人に対し、1枚あたり約8万円で販売していた疑いがもたれている。
免許証は短時間では真偽の判別が難しいほど精巧に作られており、その大半は「振り込め詐欺」用で使う銀行口座の獲得に使われていたとみられる。男も「警官には見せるな」と注意して販売していたが、2008年12月に福井県内で交通違反を行った男が偽造免許証を警官に提示。免許番号を照会したことで偽造されたものと発覚。この男を追及した結果、販売主の男に行き着いたという。
男は販売記録をパソコン上で管理しており、全国28都道府県の約130人に販売。約2000万円の不正な売り上げを得ていた。免許の名義人は約570人で、1人が複数枚を購入していたケースもあった。警察ではこうした偽造免許を振り込め詐欺グループが悪用していた可能性は極めて高いとみて、男を厳しく追及している。