三菱重工業は、リチウム二次電池事業への本格参入に向け、同電池の量産化実証工場を2010年秋頃までに長崎造船所(長崎市)内に建設・稼動すると発表した。
年間生産能力は6万6000kWhと、中型電池換算で約40万個。電池は九州電力との20年に及ぶ共同研究により開発したもので、これまでサンプル供給を行ってきたが、今後は自社製フォークリフトや風力発電設備など多様な製品に組み込み市場投入する。
これに伴って10月1日付で全社横断的な「リチウム二次電池事業化推進室」を立ち上げる。
同社は1988年から九州電力と電力貯蔵用大型電池の研究を進め、コンパクトで高い出力を長時間供給できる電池の製品を開発した。主に移動体用の中型電池と、定置用の大型電池の2種。
実証工場は今秋に着工する。量産技術実証ラインには、同社が保有する各種スラリー技術や印刷塗工関連技術、ターボチャージャーの量産管理技術などを総合的に活用する。実証稼働を通じてラインの稼働率の確保、タクトタイムの短縮、電池性能の確認、原価低減などに取り組む。
今後の市場動向を踏まえ、2011年をめどにさらなる本格的な量産工場着工を計画している。