住友軽金属工業は2日、グループのアルミ押出素材・部材加工事業などを再編すると発表した。
押出事業は長引く建材需要の低迷に加え二輪車・四輪車向け素材・部材の大幅な減少の中、業界として供給過剰体質にあり「アルミ押出素材・部材加工事業の再構築」は喫緊の経営課題で、先に公表した「アルミ加工品事業の再構築」と併せて新中期計画に先駆けて実施する。
同社の押出素材の生産拠点は名古屋製造所と千葉製作所があり、グループとしては群馬アルミニウム(伊勢崎市)と日本アルミ安城製造所がある。
このうち、千葉製作所は1969年設立以来、アルミ押出品の重要生産拠点として操業してきたが、2010年3月に操業を停止し、名古屋製造所とグループの群馬アルミニウム、日本アルミ安城製造所に納入先と相談のうえ順次生産を移管する予定。
従業員は操業度が回復している他の部門や関係会社の欠員補充として原則グループ内で配置転換する予定。
千葉製作所は二輪車・四輪車用、工業用、建築用などのアルミ形材・管を生産している。生産能力は月産1800tで従業員数は260人。
また、アルミ押出営業部門と名古屋製造所押出製造部門をそれぞれ分社化し、事業統括・販売会社「住軽テクノ」、製造会社「住軽テクノ名古屋」を設立する。この住軽テクノの傘下には生産拠点として群馬アルミニウム、日本アルミ安城製造所、部材加工のテイネン工業、自動車熱交用多穴管事業のスミケイチェコを加えグループのアルミ押出素材・部材加工事業を統合する。現在の販売会社である「新泉アルミニウム」は「住軽テクノ」に統合する。
アルミ押出素材・部材加工事業統括会社となる住軽テクノには営業本部・技術開発本部・品質保証本部・業務本部を設置し、グループのアルミ押出素材・部材加工事業の営業体制強化や製品開発機能・品質保証体制強化を図る。