【レクサス HS250h 試乗】プリウス同様にヘンテコ…西川淳
試乗記
国産車

ミニバンのファミリーカー化以降、格好いいクルマの基準が変わったのかもしれない。ハイブリッドじゃないと格好悪いのかも知れない。それはさておき、クルマとしての乗り味は、相変わらず『プリウス』同様に、ヘンテコ。レクサスということで、仕上げにはかなり神経を使ったと思うのだが……。
もっとも、これもまた、セダン中心の従来的な価値観に比べてのものなので、多くのミニバンと比べればマトモというべきかも知れない。まっすぐ走っているぶんには問題ないけれど、曲がるという動作が加わると、とたんに不自然さが増す。所詮、機械が相手。人間の思惑に対して“遅れ”はつきものだが、遅れ方が問題で、HS250hのそれは間に粘度の違うさまざまなゴムが挟まっている感覚だ。気持ちがいい(これも古いか!?)とはまったく言えない。このあたり、システムが複雑なこの手のハイブリッドカーの課題だろう。
気に入った点もある。それはインテリアの真ん中あたり(オペレーションゾーン)。例のリモートタッチがとても使いやすいし、まわりのデザインもいい。このあたりだけ欲しくなった。革の使い方や色のコーディネート、発色は相変わらず下手くそだけど……。あと、ちょっと高いなあ。欲しい装備を選ぶと、やっぱり500万円超えてしまう。
■5つ星評価
パッケージ:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★
おすすめ度:★★★
西川淳|自動車ライター
昭和40年生まれ、奈良県出身。スーパーカーをこよなく愛し、イタリア車に大いにはまりながらも、高性能ドイツ車を尊敬してやまず、新旧日本車もカワイクて仕方がない。浪花節クルマおたく。
《西川淳》