【スバル プラグインステラ 試乗】EVならではのドライビングプレジャー…岡本 幸一郎

試乗記 国産車
【スバル プラグインステラ 試乗】EVならではのドライビングプレジャー…岡本 幸一郎
【スバル プラグインステラ 試乗】EVならではのドライビングプレジャー…岡本 幸一郎 全 5 枚 拡大写真

ずっと情報を小出しにしていた三菱『i-MiEV』に対し、唐突に、しかもi-MiEVの前日に発表されたことには、当初は不快感すら覚えたものだが、ひとまずそのことは忘れて試乗。

EVというのは白物家電みたいなもので、走る楽しさを云々いうクルマではないと思っていたのだが、このところ他社の試作車に乗った印象も含め、そうではないことを思い知らされている次第。『プラグインステラ』にも、EVならではのドライビングプレジャーがある。

ゼロ発進から力強く、太いトルクをレスポンスよく得られ、ギクシャクすることもない。さらに踏み込んでいくと、高性能エンジンのような盛り上がり感のある加速感を示す。全開にすると驚くほど速く、しかも極めてスムーズだ。こんな加速フィールは内燃機関だけではまず得られない。車内で各所から聞こえる制御系の様々な音も、EVっぽくて面白い。

回生によるブレーキの違和感も小さいし、重心が低いので、フットワークは意外なほど安定している。

なかなか楽しくて、もっと乗っていたくなったのだが、悲しいかな航続距離は条件がよくても最大90km。しかもエアコンをONにすると航続可能距離がグンと下がるので、我慢せざるをえない。「もっと増やして欲しい」と文字で書くのは簡単ではあるが、諸事情は理解した上でも、そう思わずにいられなかったのが正直なところだ。

プラグインステラが一般に販売されないのは、すでに軽自動車の自主生産からの撤退を表明しているスバルの事情もあってのことだろう。一般販売を視野に入れたスバルのEVが、次にどういう形で世に出てくるのか、そこに非常に興味がある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年富山県生まれ。学習院大学卒業後、自動車メディアの世界へ。自動車情報ビデオマガジン、自動車専門誌の記者を経て、フリーランスとして活動を開始。最新モデルからヒストリックカー、カスタマイズ事情からモータースポーツ、軽自動車から輸入高級車まで、幅広い守備範囲を自負する。現在はウェブ媒体を中心に執筆中。「プロのクルマ好き」として、常に読者にとって役に立つ情報を提供できるよう心がけている。

《岡本幸一郎》

岡本幸一郎

1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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