【レクサス HS250h 試乗】よくわからないクルマ…岡本幸一郎

試乗記 国産車
【レクサス HS250h 試乗】よくわからないクルマ…岡本幸一郎
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最初に「『プリウス』とどのくらい違うのか?」という視点で接したのは大きな誤りだった。まったく違うクルマであることは走り出してすぐにわかる。  

走行性能こそ上がったものの、コストダウンの痕跡が散見されるプリウスに対し、『HS』は見た目にはもちろん、スムーズな走りや静粛性、前席の乗り心地の快適性など、プリウスとは段違いの高級感を持つ。しっかりお金をかけてつくられたことがうかがえる。居住性やラゲッジルーム容量の確保などパッケージングも巧い。  

そして、“高級”であることに期待するのであれば、プリウスで上級グレードを買うよりも、価格差は大きくても、はなからHSを狙ったほうがよっぽどいいだろう。  

では、本来勝負したい『Cクラス』、『3シリーズ』、『A4』などドイツのプレミアムDセグメント勢と肩を並べる相手かというと、それもまったく違うクルマ。あくまでハイブリッドであることを最大の武器とした、ちょっと小柄で日本車らしい高級車だと思う。  

好調な初期受注にはドイツ勢も戦々恐々としているかもしれないが、おそらくそう長くは続かないのでは。とくに身内から『SAI』が出た以降の苦戦は必至だろう。  

正直なところ、HSは良くも悪くも「よくわからないクルマ」だ。完成度の高さは充分に伝わった。しかし、どうもつかみどころがない。また、『LS』や『GS』、『IS』にはそれなりにインパクトがあるのに対し、HSはややレクサス車の一員としての印象が希薄な気がするし、半年後にトヨタブランドから廉価版が出るというのに、レクサス初のハイブリッド専用車であることを強調しているのもちょっと疑問。それでも、ハイブリッド車として、また高級車としての出来はけっこうハイレベルというクルマだと思う。1代限りで終わらないように…。  

■5つ星評価 
パッケージング:★★★★ 
インテリア/居住性:★★★★ 
パワーソース:★★★ 
フットワーク:★★★ 
オススメ度:★★★  

岡本幸一郎|モータージャーナリスト 
1968年富山県生まれ。学習院大学卒業後、自動車メディアの世界へ。自動車情報ビデオマガジン、自動車専門誌の記者を経て、フリーランスとして活動を開始。最新モデルからヒストリックカー、カスタマイズ事情からモータースポーツ、軽自動車から輸入高級車まで、幅広い守備範囲を自負する。現在は WEB媒体を中心に執筆中。「プロのクルマ好き」として、常に読者にとって役に立つ情報を提供できるよう心がけている。

《岡本幸一郎》

岡本幸一郎

1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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