【ボルボ XC60 試乗】ボルボ復活の“のろし”…西川淳

試乗記 国産車
【ボルボ XC60 試乗】ボルボ復活の“のろし”…西川淳
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一時の勢いを失ったボルボブランドの、復活ののろしになり得るモデルだと私は思っている。ブランドが元気を無くしたのは、現行型『V70』の上級志向の度が過ぎたからだ。多くのボルボファンは、もう少し大人しくてもいい、堅実であっていい、と感じていたはず。外野の私でさえそう思った。  

とはいえ、今さらラグジュアリー路線を改めるわけにはいかず、だったらいっそイメージを牽引するカタチでごっそり変わってくれる方がまだ納得がいくのではないか。エステートからクロスオーバーSUVへ。はたしてボルボのイメチェンが行われ、V70のオルタナティブとして『XC60』の需要が高まると期待したい。  

見栄えも格好もよくなって、もちろん安全性能は第一級を保ったまま。ドイツ勢と比べれば、少しだけ大きくて、エンジンパフォーマンスはいっそう強力(エコ性能ではつらいが)、それでいて価格は下振り。良いコト尽くめだ。このあたりの位置づけはボルボの伝統で、要するに輸入車の中ではお買い得なイメージがある。

確かに、この内外装の質感とパフォーマンスでこの価格なら、国産車だって相手にできそうだ。あまりにコンテンポラリーすぎて賞味期限が短くなる恐れもあるけれど。   

実際に乗った印象も、悪くない。ドイツ勢ほど軽快ではないものの、力強さではまったく負けていない。高速での安心感も充分。もう少し乗り味に一体感があれば尚いいと思ったが、これくらいの身振りの重さが逆に安心という人もいるだろう。守られているという感覚が、ちゃんと伝わってくるクルマだった。  

■5つ星評価
パッケージ:★★★★ 
インテリア:★★★★★ 
パワーソース:★★★ 
フットワーク:★★★ 
おすすめ度:★★★★  

西川淳|自動車ライター 
昭和40年生まれ、奈良県出身。スーパーカーをこよなく愛し、イタリア車に大いにはまりながらも、高性能ドイツ車を尊敬してやまず、新旧日本車もカワイクて仕方がない。浪花節クルマおたく。

《西川淳》

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