ダイハツ『ミラ ココア』は、昨年末に生産を終了した『ミラ ジーノ』の後継モデルともいえるクルマだが、見た目のイメージなどは『ムーヴ ラテ』の後継車のようにも思える。女性を意識した可愛らしいデザインを採用したのは、ダイハツはスズキに比べて若い女性ユーザーからの支持がやや弱いことが理由という、とても分かりやすい外観デザインだ。
インテリアのデザインや質感などもいかにも女性ユーザー向き。グレードにもよるが、快適装備の充実度は高いレベルにある。最上級グレードの『ミラ ココア プラスG』にはバックモニター内蔵ルームミラーを採用する。画面が小さいので見やすいとはいえないが、カーナビの装着率が低い軽自動車にバックモニターを装着するためのひとつの解決法だ。
廉価グレードの「L」ではまたしてもABSがオプション設定になっている。今どきABSが付かなかったらクルマではないだろう。LにはCVTではなく4速ATが組み合わされ、パワステも電動式ではなく油圧式になるため、燃費性能も大幅に悪くなる。ミラココアを買うときに選んではいけないグレードだ。
走りは際立って特徴的な部分はなく、普通に良く走るという印象。郊外の道路や高速道路などを走ったが、これといって大きな不満を感じる部分はなかった。静かで滑らかに走るし、乗り心地にも優れている。若い女性ユーザーが毎日の足に使うのに、それなりに適したクルマだと思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。