アストンマーチンは15日、新型車『ラピード』(RAPIDE)を発表した。6.0リットルV12(477ps、61.2kgm)をフロントに搭載したエレガントな4ドアスポーツカーだ。
アストンマーチンがラピードの名前を最初に冠したモデルを発表したのは、1961年。『DB4』をベースにした4ドアモデル、『ラゴンダラピード』がそのモデルだ。しかし、わずか4年で生産中止に追い込まれた。
アストンマーチンは2006年1月のデトロイトモーターショーで、今度は『ラピードコンセプト』を披露。今回発表されたラピードは、その市販バージョンである。
新型ラピードは、アストンマーチンにとって久しぶりの4ドア車。『V8ヴァンテージ』や『DBS』などと同様に、ひと目でアストンマーチンとわかるアイデンティティを維持しながら、伸びやかなフォルムを持つ4ドアスポーツを完成させた。
ボディサイズは全長5019×全幅2140×全高1360mm。ポルシェ『パナメーラ』(全長4970×全幅1930×全高1417mm)よりも、49mm長く、210mmワイド、57mm低い。
独立4シーターのキャビンは、レザーやウッドなど最上の素材を厳選。バング&オルフセン製オーディオや後席用のツインDVDスクリーンなどを装備し、快適な移動空間に仕上げられた。トランクは大人4名に充分な301リットルの容量を確保。ボタン操作で簡単にリアシートバックが前倒しでき、トランク容量は750リットルに拡大する。
エンジンは『DB9』と基本的に共通の5935ccのV12で、フロントミッドシップに搭載。最大出力477ps/6000rpm、最大トルク61.2kgm/5000rpmを発生する。トランスミッションは「タッチトロニック2」と呼ばれる6速ATで、パドルシフトが組み込まれた。0 ‐ 100km/h加速5.3秒、最高速303km/hとパフォーマンスは1級だ。
エンジンはアストンマーチンの職人により、1基1基ハンドメイドで生産。車両の最終組み立ては、オーストリア・マグナシュタイア社のグラーツ工場に委託される。
新型ラピードは、2010年初頭からデリバリー開始予定。ポルシェパナメーラなどと競合する。アストンマーチンは「新型ラピードは世界で最もエレガントで機能的、ラグジュアリーな4ドアスポーツカー」と自信を見せる。高級4ドアスポーツカーの販売競争が激化しそうな気配だ。