スペインに本拠を置くフォルクスワーゲングループのセアトは15日、『IBZコンセプト』を初公開した。2010年中盤に発売予定の『イビーサ』(Ibiza)のステーションワゴンを示唆したコンセプトカーである。
イビーサは、セアトの主力小型ハッチバック。2008年に登場した4代目は、フォルクスワーゲン『ポロ』やアウディ『A1』とプラットフォームを共用している。ボディは3ドアと5ドアで、どちらもハッチバック。第3のバリエーションとして設定されるのがワゴンだ。
フロントマスクは、ヘッドライトやグリルにイビーサとの共通点が見て取れ、セアトのアイデンティティを主張。シャープかつダイナミックなフォルムは、主にターゲットとする若い顧客にアピールするものだ。全長は4220mmと取り回しの良さも健在である。
インテリアは、コンセプトカーらしい装飾が施されているが、インパネなどのデザインはイビーサと共通。荷室は410リットル(VDA計測値)の容量が確保され、サブトランクや簡単に倒せるリアシートなど、高い機能性を標榜する。フロア地上高は低めに抑えられ、荷物の積み下ろしに配慮された。
エンジンに関するアナウンスはないが、ターボとスーパーチャージャーの2種類の過給器を備えるフォルクスワーゲン製1.4リットル直4TSIや、クリーンディーゼルのTDIが用意される見込みだ。
セアトは欧州で新しいPRキャンペーンを実施しており、雑誌広告にヌードの男女を起用するなど、話題作りに躍起。「退屈なファミリーカーを作るメーカーではない」とのセアトの主張は、2010年半ばに登場するイビーサのワゴンにも反映されそうだ。