50年前の車と今の車と衝突テスト 米IIHSが実施

自動車 テクノロジー 安全
IIHSの衝突テスト
IIHSの衝突テスト 全 7 枚 拡大写真
米国IIHS(道路安全保険協会)は、GMの2009年式シボレー『マリブ』と1959年式シボレー『ベルエア』の衝突テストを実施した。50年間の衝突安全性の進歩を確認するのが目的だ。

IIHSはNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)と並んで、米国内で販売される車両の安全性を確認する公的機関。衝突テストは前面オフセット64km/h、側面50km/h、後方32km/hで行い、ダミー人形が受けた傷害レベルに応じて、GOOD(優)、ACCEPTABLE(良)、MARGINAL(可)、POOR(不可)の4段階で判定する。IIHSは総合評価でGOOD(優)となった車を、「トップセーフティピック」に認定し、衝突安全面でのお墨付きを与えている。

今回IIHSは設立50周年を記念して、ユニークな衝突テストを実施。それは、IIHSの設立と同じ1959年に製造されたシボレー・ベルエアと、最新の2009年式シボレー・マリブを衝突させるというものだ。ベルエアはアメリカ車が栄華を極めた1950年代に生産された大型車で、優雅なテールフィンが特徴。ボディタイプは2ドアクーペやコンバーチブル、4ドアセダンなどが存在した。現在では、コレクターズアイテムとなっているモデルだ。

一方のマリブは1964年に初代がデビュー。2007年に投入された最新モデルは、GMの主力ミドルセダンとして人気の高い車種だ。2台の前面オフセット衝突テストは、IIHSの基準と同じ64km/hで行われた。

結果は当然だが、最新マリブがボンネット部分でうまく衝撃を吸収し、乗員の生存空間をしっかり確保。これに対して、50年前のベルエアはキャビンまで激しくつぶれ、乗員の生命に危険が及んでいるのが確認できる。

自動車メーカーで初めて、衝撃吸収ボディ構造を市販車に導入したのは、メルセデスベンツ。1953年に発表した『180』がそのモデルだ。1959年式のベルエアに、衝撃吸収という考え方はなかったに違いない。IIHSには次回、このベルエアと最新中国車の衝突テストを実施してほしいところだ。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ライズ』がカラフルに変身!? フルーツがテーマ『ハバナ フルーティーポップ』、キャルズモーターが発売
  2. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  3. 一人乗りマイクロEV「EQV-TREK」発売、355kgの軽量ボディで航続110km…107万8000円から
  4. 新型取締機「JMA-520/401」に対応、セルスターがコンパクトな一体型レーダー探知機を発売
  5. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る