東レは15日、電機・自動車向け樹脂素材の新製品を開発し、本格販売を開始すると発表した。その新製品とは、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂「トレコン」の良流動化グレード「トレコンナノフロー」シリーズだ。
トレコンナノフローは、従来グレードと同等の機械物性を維持しながら、流動性を大幅に改善したのが特長。射出成型部品の薄肉化や複雑形状の製品設計が可能になるほか、成型サイクルの短縮や成型加工温度の低減による生産性の向上と省エネルギー化が図れることから、温室効果ガス(GHG)の削減に貢献できる。
同社の実験結果では、最大80%の流動性向上を達成し、さらに従来のPBT樹脂を上回る成型性を実現しながら溶融成型加工温度を20度低減できたとのことだ。
今回販売を開始するのは、標準タイプの非難燃ガラス強化グレードと難燃ガラス強化グレードの2種類。同社は電気・電子機器部品をはじめ、自動車部品への採用を目指すとしている。