メルセデスベンツの超希少スーパーカー、意外に安く落札…9300万円

自動車 ビジネス 海外マーケット
CLK GTRロードスター
CLK GTRロードスター 全 13 枚 拡大写真

RMオークションとサザビーは、28日に英国ロンドンで開催されたオークション「第3回オートモビルオブロンドン」において、2台のメルセデスベンツ『CLK GTR』が52万2500ポンド(約7890万円)と61万6000ポンド(約9300万円)で落札されたと発表した。

新車当時価格の約半額という結果である。

メルセデスベンツCLK GTRは、その生い立ちから、90年代を代表するスーパーカーといわれる。レースに勝つために誕生した生粋のサラブレッドである点が、そう呼ばれる理由だ。

1996年、ITC(国際ツーリングカー選手権)が終了し、翌1997年、FIA GT選手権へ移行。CLK GTRは、メルセデスベンツとAMGが1997年、FIA GT選手権のGT1クラスに参戦する目的で製造を開始したホモロゲーションモデルだ。CLK GTRは1997年のFIA GT選手権において、全11戦中6戦に勝利する強さを発揮。この年のメーカー/ドライバーの両タイトルをAMGメルセデスチームにもたらした。

CLK GTRはフロントマスクやテールランプこそ初代『CLK』と共通イメージ。しかし、その中身はスチール製ロールケージ+カーボンファイバーコンポジットのモノコックシャシーに、カーボンファイバーコンポジットボディを組み合わせたレーシングカーである。

ミッドに置かれるエンジンは、当時の『Sクラス』用の6.0リットルV12をベースにAMGがチューニングした6898ccのV12(612ps)。トランスミッションは6速シーケンシャル、車体重量はわずか1000kgに抑えられ、0‐100km/h加速3.8秒、最高速320km/hという世界最高レベルのパフォーマンスを実現していた。まさに「ロードゴーイングレーサー」の異名を持つスーパーカーである。

その高性能を示すエピソードが、購入者に義務づけられたドライビングレッスン。AMGのインストラクターが612psを公道で解き放つに当たって、安全講習を行った。また、販売はドイツ本社のみが担当し、中古での売買にも制約があったとされる。

28日のオークションには、全生産台数25台のうちの1台、2005年式CLK GTRのクーペが出品。オドメーターの数値は25km という新車状態で、CLK GTRとしては、唯一の右ハンドル車だ。新車当時価格は100万ユーロ(約1億3500万円)だったが、落札価格は52万2500ポンド(約7890万円)と、約半額に落ち着いた。

もう1台のCLK GTRは、全生産台数わずか5台という超レアなロードスター。こちらも唯一の右ハンドル車で、走行距離34kmという極上車だ。新車当時価格は130万ユーロ(約1億8000万円)だったが、これまた約半額の61万6000ポンド(約9300万円)で落札されている。

新車当時価格から判断すると、意外に安い値が付いたCLK GTR。これも金融危機の影響ということか。なお、落札者は公表されていないが、右ハンドル車であることを考えると、素直に地元イギリス人、それとも日本人、はたまた香港の富豪あたりとなるのだろうか。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 三菱『デリカミニ』がフルモデルチェンジ!「やんちゃ坊主」感アップ、走りも三菱らしく進化
  2. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  3. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  4. 日産『ルークス』新型、クールなカスタマイズモデル「AUTECH LINE」が登場! 専用の黒内装も
  5. 『マツダ3』、米2026年モデルで「ハーモニックアコースティクスオーディオ」を標準化
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る