エクステリアデザインは、サイドまで回り込んだボンネットのラインなどが旧フィアット『500』風で、全体にレトロな雰囲気。面構成が平面でなく「ぷっくり」膨らんでいるので暖かみがある。
ミニのコピーっぽかった『ミラジーノ』や、トールワゴンを無理にかわいらしくした感じの『ムーヴラテ』よりオリジナリティがあり、コンパクトカーのデザインとして秀逸だ。女の子向けにしておくのは、ちょっともったいないくらい。
シートの座り心地や肌触りはとても良く、低速域での乗り心地も良好で、実にゆったりした気分で乗れる。後席も広く、ボディの剛性感も高く、上級グレードならシートリフターもあるし、シティカーとして不満はない。ただ、売りもののバックモニター内蔵ルームミラー(最上級グレードのみ)は画面が小さすぎ。ついている場所が場所だけに、これだけを見てバックする人も多いだろうからちょっと危険かも。
一方、ダイハツのCVTは相変わらずベルトノイズが大きめ。燃費のためかDモードではエンジン回転がすぐ低くなり、加速時には回転が跳ね上がってエンジンが唸るなど、いささか唐突感がある。また燃費にこだわっている割には平均燃費計がない。瞬間燃費計やエコインジケーターなど要らないので、ぜひ代わりに付けるべきだろう。
このクルマ、ライバルのスズキ『ラパン』共々、「見ていて楽しいクルマ」だ。今の国産車が元気を取り戻すためには、普通車にもこういう楽しいデザインのクルマがもっともっと必要だと思う。