スバルオブアメリカは30日、11月3日にラスベガスで開幕するSEMAショーに、1969年式スバル『360バン』(日本名:『サンバーバン』)のフルレストア車を展示すると発表した。スバルの米国販売第1号車を、デリバリーバン風にカスタマイズしたモデルだ。
SEMAとはスペシャル・エクイップメント・マニュファクチャラー・アソシエーションの略で、米国のアフターパーツメーカーの統括組織。毎年開催されるSEMAショーは、日本のオートサロン、ドイツのエッセンショーと並んで、世界3大チューニングカーショーに位置づけられる。
スバル360バンは、スバルが米国上陸を果たした1969年、初めて販売されたモデルのひとつだ。356ccの空冷2ストローク・2シリンダーエンジンをリアに搭載。最大出力25ps/5500rpm、最大トルク3.5kgm/4500rpmのスペックは、430kgのボディには十分だった。28km/リットルという燃費の良さも、米国の顧客には驚きを持って迎えられたものだ。
360バンは日本では1966年、2代目『サンバーバン』(通称ニューサンバー)としてデビュー。荷物の積載量に関係なく高いトラクション性能を発揮するRR(リアエンジン・リアドライブ)方式は、現行サンバーにも継承されている。
米国のスバルファンにとっては懐かしの360バンを、ラスベガスのスバル販売店が、ていねいにフルレストア。さらに純正用品シリーズ、SPT(スバル・パフォーマンス・チューニング)のデリバリーバン仕様に仕立てた。青い車体にはSPTのデカールが貼り付けられ、ナンバープレートは「GOT SUBIE?」(SUBIEとは海外のスバルファンの意味)と、シャレっ気たっぷりだ。
スバルは今回のSEMAショーに、『レガシィ』と『インプレッサWRX』のチューニングカーも出品。この2台に負けない存在感を、360バンは放つことだろう。なお、この360バンはSEMAショー終了後、全米のスバル販売店を回るツアーに旅立つことになっている。