米国ローカルモーターズは、3日にラスベガスで開幕するSEMAショーで、『ラリーファイター』を初公開する。一般公募によって選ばれたデザインを、市販に移す一大プロジェクトだ。
米マサチューセッツ州に本拠を置くローカルモーターズは、主にデザインエンジニアリングを行う新興メーカー。一般からデザインを公募し、ウェブサイトで公開。人気の高い作品を市販化するプロジェクトを手がけている。
同社の市販第1号車が、SEMAで初公開されるラリーファイター。カリフォルニア州のデザイン専門学校に在籍する韓国人学生、サンホ氏のデザインだ。米国の砂漠レースに参加できる高い走破性と、スポーツカーのパフォーマンスを両立させたクロスオーバー車である。ウェブサイトでは、約2万1000人から支持を集めた。
外観はSUVとスポーツカーを融合させたダイナミックなフォルムが特徴。サンホ氏は「米軍の戦闘機、『P-51マスタング』(第2次世界大戦で活躍)がモチーフ」と説明する。ボディサイズは全長4678×全幅2031×全高1759mm、ホイールベース2971mm。車高は2段階切り替え式で、オンロードでは車高を200mmダウンさせ、走行安定性を引き上げる。
環境性能に優れるエンジンは、BMW『X5』や『3シリーズ』用の「M57型」直噴3.0リットル直6ツインターボディーゼル。最大出力265ps、最大トルク58.8kgmを発生する。とくに圧倒的なトルクは1750rpmという低回転で生み出され、オフロードで威力を発揮。トランスミッションはZF製6速ATで、燃費は高速で15.3km/リットル、オフロードで12.75km/リットルと良好だ。
スチールチューブラー製スペースフレームにカーボンファイバー製ボディを載せる手法は、レーシングカー譲り。車体重量は1450kgに抑えられた。また、前後重量配分は55対45と、バランスも優秀。室内は大人4名が乗車できる空間を確保している。
ラリーファイターは、最大3000台を生産し、価格は5万ドル(約450万円)程度を予定。もちろん公道走行は可能で、そのままオフロードレースにも参加できる。米新興メーカーとして、テスラやフィスカーに続く成功を収めるか、注目だ。