フォルクスワーゲンは16日、2010年発売予定の新型ピックアップトラックの『アマロック』(Amarok)が、2010年1月1日にスタートする「ダカールラリー」の公式車両に指名されたと発表した。ダカールラリーがアマロック初公開の場となる。
フォルクスワーゲンは2008年9月、ドイツ・ハノーバー商用車ショーにおいて、『コンセプトピックアップ』を披露。アマロックはこのコンセプトカーを市販化した小型ピックアップトラックだ。現時点では、新型の写真は公表されていない。
ボディサイズは全長5180mm×全幅1900mmで、最大積載量は1tクラス。荷台長は1550mmで、欧州の荷物規格「ユーロパレット」の積載が簡単にできるように工夫された。フロントマスクは『ゴルフ』などに通じるデザイン。車名のアマロックとは、カナダ北部に住むイヌイットの言葉で、「狼」を意味する。
アマロックはまず、ダブルキャブの4WD車を発売。遅れて、シングルキャブを設定する。エンジンは、パワフル&高効率な次世代コモンレールターボディーゼルの「TDI」で、クラストップレベルの燃費や排出ガス性能が追求される。
生産はアルゼンチン・ブエノスアイレス近郊のパチェコ工場で行い、南米市場へ2010年初頭に投入。続いて、中米諸国に2010年春、欧州やロシア、アフリカ、オーストラリアは2010年夏発売のスケジュールだ。
ダカールラリーの主催団体、ASO(アモリ・スポール・オルガニザシオン)は、2010年1月1日にアルゼンチンでスタートする「第17回ダカールラリー」の公式車両として、アマロックを指名。20台のアマロックがラリーのサポートビークルとして活躍する。さらに15台のアマロックが、報道関係者などの移動用にそろえられ、全35台のアマロックが大会をバックアップする。
ダカールラリーは、アルゼンチンのブエノスアイレスを出発し、アンデス山脈やアタカマ砂漠を経て、チリ北部で折り返し、ブエノスアイレスでゴール。総走行距離は約9000kmに達する過酷なラリーだ。
フォルクスワーゲン商用車部門のステファン・シャラーCEOは、「ダカールラリーはアマロックの柔軟性や耐久性を示す最高の舞台となる」と語っている。
2010年のダカールラリーに、フォルクスワーゲンは5台の「レーストゥアレグTDI」で参戦。南米開催のダカールラリーにおいて、2年連続優勝を目指す。新型アマロックにとっては、ダカールラリーが最高のデビューの場となりそうだ。