新型『ステップワゴン』は、96年に誕生した初代の志を思い起こさせる原点回帰を感じさせたクルマであるのが嬉しい。エンジンは2リットル一本に絞られ、これにCVT(4WDは4速AT)を組み合わせるのを基本とする。
また、初代『オデッセイ』で開発された3列目の座席の床下収納方式が、ようやく新型ステップワゴンでも採り入れられたことも朗報だ。三菱の『ディオン』がすでに5ナンバーで3列シートの3列目をオデッセイと同じように床下収納していたので、なぜ本家ステップワゴンがいつまでもできないのか?と、ずっと疑問だった。
今回は車体の構造を見直し、3人掛けでそれを実現した(ただし3人分のヘッドレストが装備されない点は疑問が残る)。新型ステップワゴンを運転してみると、燃料消費を節約するECONモードスイッチを入れたままで何ら動力性能に問題はなく、高速安定性も優れ、また走行中の静粛性の良さにも驚かされるなど、いい事ずくめの新型ステップワゴンというのが私のファーストインプレッションだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
御堀直嗣|フリーランスライター
玉川大学工学部卒業。1988 - 89年FL500参戦、90 - 91年FJ1600参戦。94年からフリーランスライターに。主な著書は『燃料電池のすべてが面白いほどわかる本』『ホンダトップワークス』『図解エコフレンドリーカー』『快走・電気自動車レーシング』『ホンダF-1エンジン』『ポルシェへの頂上作戦』『自動車ニューテクノロジー集成』『クルマの基礎知識』など。