厳しい状況が続く自動車産業において、アフターマーケットも例外ではない。はずだが、タイヤ・ホイール専門店フジ・コーポレーションはその中で業績を伸ばし、上場まで果たしている。フジスペシャルブランド練馬店に続いて、横浜店販売部マネージャーの板垣大輔氏に店舗の特徴や不況に強い理由などを聞いた。
◆19インチ以上が当たり前? 輸入車向けホイール
「フジスペシャルブランド横浜店」は、第三京浜港北インター出口のランプ脇に位置している。周辺には、IKEA、ららぽーと港北など郊外型のショッピングセンターなどもあり、市営地下鉄の整備も進む都市近郊開発地域として栄えている。また、ヤナセを始めとする高級輸入車の販売店なども古くから点在している地域という立地条件だ。
近くに輸入車の専門店やヤナセがある関係か、輸入車ユーザーへの販売が多いという。板垣マネージャーは「ヤナセに新車を引き取りにいって、その足でこの店舗にきてタイヤやホイールを買っていく人もいらっしゃいます。輸入車の車種では、やはりメルセデスベンツとBMWユーザーが多いですね。それもセダンやクーペタイプが多い傾向があります」
「横浜店をはじめフジ・コーポレーションでは1店舗あたり、ホイールが約3000本、タイヤが約4000本という豊富な在庫を誇っています。売れ筋商品については、シンプルなデザインのものがよく売れていますね。ホイールのサイズについては、19インチ以上が当たり前のようになってきています」と語る。
店頭には、デモカーとして22インチのホイールを装着したポルシェ『カイエン』も展示してあった。
◆海外メーカー製ホイールも安心の取付け
横浜店に限らずフジ・コーポレーションでは、販売スタッフが実際のタイヤ交換作業も行う。これについて板垣氏は「当社では接客の前にタイヤ交換作業を覚えます。国産から外車まで多様な車種を扱いますし、タイヤやホイールのブランドも多いので、車種ごとのマッチングやユーザーが求めるタイヤの性能、ドレスアップの要望にも応えるため、知識だけでない技術が必要となるからです」
「例えば、海外のチューニングメーカー系のホイールは、ボディからはみ出すことをあまり意識しないで作られています。しかし車検による規制のある日本では“ツライチ(ホイールのリム部分とホイールアーチを同じ高さに合わせること)”といった要素も考える必要があります。基本的なことかもしれませんが、タイヤやホイールに特化し輸入車を多く取り扱う専門店だからこそ、実技を伴った専門知識が重要だと考えています」と語った。
◆一括仕入れで魅力の価格、在庫量で他を圧倒
板垣氏は6年前の横浜店の立ち上げ時から在籍している、いわば叩き上げのスタッフ。それまで東北での店舗勤務だった板垣氏が、練馬店と並ぶ関東進出の重要拠点でもある横浜店への異動を命ぜられたときは「正直不安でした」という。
しかし、同店はこの6年あまりで着実に実績を残し、この不況でもフジ・コーポーレーションの中核店として成長を遂げてきた。その理由はなにか。
「フジ・コーポレーションが選ばれる理由のひとつに、値段(の安さ)という要素はあると思います。輸入車のメーカー系のブランドやチューニング系のブランドなど、本部の一括仕入れによる魅力的な価格設定を実現しています。また、ホイールとタイヤに特化することで、それらの在庫量で他に負けない規模を実現している点も、専門店の強みを生かした結果ですね」
■取材協力:タイヤ&ホイール館フジスペシャルブランド横浜店
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