ゴードン・マレー…EVシティカー計画を公表

エコカー EV
T.25プロトタイプとゴードン・マレー氏(写真右)
T.25プロトタイプとゴードン・マレー氏(写真右) 全 6 枚 拡大写真

有名デザイナー、ゴードン・マレー氏が率いる「ゴードンマレーデザイン」社は、『T.27』の開発計画を明らかにした。2012年に発売予定のシティカー『T.25』(ガソリンエンジン搭載)のEV版で、世界で最も高効率なEVを目標に掲げている。

ゴードン・マレー氏は、1992年に発表されたマクラーレン『F1』のデザインを担当。同車は、F1のマクラーレンレーシングと同じグループ会社、英国のマクラーレンオートモーティブ社が、F1参戦から得たノウハウを投入して開発したスーパーカーだ。

エンジンは、BMW製6.1リットルV12(627ps)をミッドシップに搭載。カーボンやアルミをふんだんに使用したボディは、わずか1140kgという軽さで、最高速は391km/hと、まさに「ロードゴーイングF1」と呼ぶにふさわしい性能を誇った。

マクラーレンF1は、当時の価格が日本円で1億円というのも大きな話題になったが、フロント1、リア2という独自のシートレイアウトも前衛的と評価されている。

そんなゴードン・マレー氏は2009年9月、低価格シティコミューターの市販プランを公表。T.25と呼ばれるのがそのモデルで、2012年の欧州市場発売を目指している。今回明らかになったT.27は、そのEVバージョンだ。

T.27の開発は、英国政府が全面的にバックアップ。総開発費は900万ポンド(約13億円)がかかる見込みだが、その半分の450万ポンド(約6億5000万円)を支援する。

EVパワートレーンは、ZYTEKオートモーティブ社が開発を担当。すでに同社は最大出力95ps、最大トルク30.6kgmを発生するEV用モーターを、欧州や米国で納入している実績がある。同社がT.27用に開発するEVシステムの詳細は、現時点では明らかになっていないが、軽量ボディとの組み合わせにより、非常に効率に優れるシステムになるという。

T.27はT.25と同様に、「iセンター」と名づけられたシート配置を採用。これはゴードン・マレー氏が学生時代の1966年に考案したもので、マクラーレンF1と同じく、中央にドライバーが座るスタイル。乗員はドライバーの後方左右に1名ずつが着座する。これは、ドライバーの視界確保を最優先した結果である。

iセンターは6通りのシートアレンジが可能で、(1)大人3名、(2)大人2名+子ども1名、(3)大人1名+子ども2名、(4)大人2名、(5)大人1名+子ども1名、(6)大人1名、に対応。アレンジに要する時間は、30秒以内と短い。

T.27の生産工程には「iストリーム」という方式を導入。工場の面積や建設費を80%削減できる省スペースアイデアが盛り込まれ、生産コストの引き下げが図られる。

ゴードン・マレー氏は「我々は英国政府と英国自動車産業が歩調を合わせ、待ったなしの環境問題に取り組んでいくことを誇りに思う」とコメント。T.27は2011年2月までに4台のプロトタイプが製造され、市販に向けたテストを行う計画だ。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 軽自動車よりも小さい! 15歳から運転できるオペル、約132万円から販売
  3. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る