年末年始の高速道路1000円、パブコメ無視「反映されるわけではない」 

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「何のためのパブコメですか」。年末年始の高速道路料金割引の概要を説明する国土交通省道路局に対して、記者から質問が飛んだ。パブコメでは年末の休日特別割引を求める意見が8割を超えていたからだ。

4日、日本高速道路保有・債務返済機構(=高速道路機構)、およびNEXCO系高速道路会社と本四高速が共同で募集した意見募集(パブリックコメント)の結果が公表された。

そこで目を引いたのは、年末26日と27日の休日特別割引を適用しないことの是非だった。意見募集専用ページへのアクセス数は1万4368件。意見提出総数は733件だった。

休日適用しないに賛成…83件(11.3%)
両日、またはそれ以外の年末にも休日適用すべき…595件(81.1%)

また、年末の振り替えである1月4日と5日については、休日扱い賛成の意見も多い反面、平日扱いにすべきだという意見も。

休日扱いに賛成…212件(28%)
4、5日以外にも拡大すべき…63件(8.5%)
4、5日は平日扱いのままにすべき…133件(18%)

それにも関わらず、年末の休日特別割引は実施されないことになった。割引により渋滞がひどくなると物流に影響するという理由だ。

高速道路機構と高速道路会社が最初に用意した資料には、休日特別割引適用による渋滞予測が、年始の5日間しか示されず、それも不信を募らせた。

年末26日と27日に休日特別割引を実施すべきだというパブコメの圧倒的な意見を押し切ってまで実施する理由は曖昧なままだったのだ。

寄せられた意見を精査する基準はあるのか、なぜパブコメが尊重されなかったのか、その疑問は、同席した有料道路課の担当者に向けられた。

しかし、担当者は、「パブコメはパブコメ。そのすべてを受け入れるわけではないし、いつも意見が反映されるわけではない」と、なぜか憮然としている。

最初から結論ありきで進むのであれば、パブコメを募集する意味はない。パブコメを寄せた国民は踊らされただけだったのか。

《中島みなみ》

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